横浜、19年ぶり4度目V 秋に続き2冠 ~第97回選抜高校野球大会第11日目~

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 30日、第97回選抜高校野球大会決勝が兵庫・阪神甲子園球場で行われ、横浜(神奈川)が智弁和歌山(和歌山)を11-4で破った。横浜は2006年大会以来、19年ぶり4度目の優勝。秋の神宮野球大会に続き、“2冠”を達成した。

 

◇決勝

 3番・阿部、4安打3打点2盗塁&好守
智弁和歌山(和歌山)
4=010|000|021
11=102|006|20X
横浜(神奈川)

 

 ともに優勝経験がある名門対決は横浜に軍配が上がった。先制したのは横浜。1死一塁で3番・阿部葉太(3年)の一、二塁間へ飛んだ打球がランナーの足に当たり、アウトとなった(記録は阿部の内野安打とランナーの守備妨害)。不運なかたちとなったが、阿部が二盗を決めチャンスメイク。4番・奥村頼人(3年)が一、二塁間を破るヒットで阿部をホームに還した。

 

 ここまで全戦先発の織田翔希(2年)は2回表に同点スクイズを決められたものの、その後は耐えた。3回表には1死二塁の場面を招いたが、勝ち越し点を許さなかった。すると3回裏、打線が援護。1死二、三塁で阿部が智弁和歌山先発の渡辺颯人(3年)の外角高めのボールをレフト線に弾き返し、2点を勝ち越した。

 

 織田が4、5回もゼロで抑えたが、6回表に先頭打者にフォアボール。送りバントでスコアリングポジションに進められると、ワイルドピッチでピンチを広げた。カウント2-2となったところで、横浜・村田浩明監督が動いた。マウンドに片山大輔(3年)を送った。サウスポーの片山は4番・福元聖矢(3年)を変化球1球で空振り三振に仕留めてお役御免。背番号1に後続を託した。レフトからマウンドに上がった奥村頼はセンター前に弾き返されたが、センターを守る阿部がダイビングキャッチ。この回もゼロで抑えた。

 

 すると準決勝まで26イニングを2失点(自責点は1)に抑えていたエース渡辺が崩れる。ファインプレー直後の阿部、奥村頼に連打を浴びた。続くバッターはダブルプレーに仕留め、ピンチを脱したかに思われたが、デッドボール。ここから横浜打線につかまり、1-8となったところでマウンドを降りた。2番手の中井貴(3年)も阿部にタイムリーを浴びた。智弁和歌山はこの回、6点を奪われ、リードを大きく広げられた。

 

 横浜打線は7回裏にも2点を奪い、今大会4試合中3完封と安定していた智弁和歌山の守りを打ち崩した。8回に2点、9回に1点を失ったものの、13安打11得点と打ち勝った。これで秋季大会から公式戦20連勝。その強さが際立った決勝戦となった。

 

(文/杉浦泰介)

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