第296回 少子化でもダンス人口急増の背景

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 少子化で、どの競技団体も普及に四苦八苦している中、“ひとり勝ち”の様相を呈しているのがダンスである。

 

 

 一般社団法人ストリートダンス協会の調査によると、国内の推計競技人口は2015年の時点で約600万人。01年の7万人から、約85倍も伸長した。25年には1100万人前後に達すると見られている。

 

 国内のサッカー人口は22年時点で約309万人(笹川スポーツ財団)、野球人口は268万人(同)。2つの人気競技と比較するとダンス人口の急伸ぶりが、より鮮明になる。

 

 ここまで国内でダンスが盛んになった最大の理由として挙げられるのが、12年に中学校の学習指導要領が改訂され、保健体育の授業に、武道とともにダンスが必修化されたことだ。小学校で習う「表現運動」や「リズムダンス」と合わせると、子どもたちは9年間ダンスに親しむことになる。

 

 24年パリ五輪ではブレイキンが新競技として採用され、注目を集めた。金メダルを獲得したAMI(湯浅亜美)は、この競技の最大の魅力を「自分らしさの挑戦」と語っていた。

 

 過日、日本バレーボール協会の川合俊一会長に「バレーボールのライバルはサッカー、それともバスケットボール?」と問うと、意外にも「ダンス」と答えた。

 

「ダンスには個人や少人数の大会もあるが、数十人で踊る団体戦があるところが大きい。つまりたくさんのレギュラーが生まれ、スポットライトを浴びることができる。

 

 翻ってバレーボールでは、13番目(基本的にベンチ入りは12人)の選手が補欠になってしまう。この差は大きい」

 

 21年には「日本発世界初」を謳い文句としたプロダンスリーグ「Dリーグ」が発足し、年々、観客数を伸ばしている。若年層と女性から高い支持を受けているのが特徴。いずれ小学校中学校の卒業文集で、子どもたちが「将来の夢はDリーガー」と書く時代が、やってくるかもしれない。

 

<この原稿は『週刊大衆』2025年6月2日号に掲載された原稿です>

 

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