埼玉ワイルドナイツ、連覇中のブレイブルーパスを完封 〜リーグワン〜
14日、「NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26 」第1節ディビジョン1(D1)の東芝ブレイブルーパス東京対埼玉パナソニックワイルドナイツ戦が東京・味の素スタジアムで行われた。ワイルドナイツがブレイブルーパスを圧倒し、46―0の完封勝ち。3トライ差以上によるボーナスポイントを加えた勝ち点5を手にした。
2連覇中のブレイブルーパスと初代王者のワイルドナイツによる王者対決は、後者が伝統の守備力と規律で前者を圧倒した。
ブレイブルーパスは2連覇に貢献したHO原田衛、LOワーナー・ディアンズ、UTB森勇登らが抜けた。また、この日はキャプテンのNo.8リーチマイケル、トライゲッターのWTBジョネ・ナイカブラが欠場。HOとNo.8には橋本大吾と山本浩輝が起用され、WTBとLOの一角はネタニ・ヴァカヤリア、マイケル・ストーバーグと新加入の2人が入った。
一方のワイルドナイツは、WTB長田智希、HO佐藤健次以外の秋のツアーに参加した代表メンバーは揃ってメンバー外となった。LOルード・デヤハー(南アフリカ)、CTBダミアン・デアレンデ(同)、WTBマリカ・コロンイベテ(オーストラリア)とカテゴリーCの選手に加え、CTBディラン・ライリー、FLベン・ガンター、バックローのジャック・コーネルセンのジャパン勢が欠場。金沢篤HCが「コンディションとコンビネーションを意識してセレクションした」とプレシーズンで起用してきたメンバーで臨んだ。
リーグワン13試合のうち、最も遅いキックオフとなった一戦。午後には降っていた雨が止んだ。ブレイブルーパスが目標としていた4万には届かなかったものの、それでもクラブ主管としては最多となる3万2613席の観客が集まった。
先制はワイルドナイツ。前半7分、敵陣でペナルティーを獲得し、SO山沢拓也がPGを決めた。9分にはファーストスクラム。ブレイブルーパスがコラプシングの反則を犯した。攻守でプレッシャーをかけ、相手の反則を誘う。14分にはラインアウトからHO坂手淳史がトライエリア(インゴール)左隅に飛び込んだ。
その後も相手に圧を掛けながらワイルドナイツが優位に試合を運ぶ。19分にはブレイブルーパスのWTB桑山聖生がイエローカード。数的有利に立ったワイルドナイツは、21分に山沢がPGで加点すると、2つのトライで突き放す。前半終了間際にも2本のPGが決まり、33-0と大量リードを奪った。
ハーフタイムを迎えた後も反則が目立つブレイブルーパス。その間に山沢が正確なキックでHポールの間を射抜いていく。39-0の後半35分には、ブレイブルーパスがこの日2枚目のイエロー。最後は敵陣深くでペナルティーを獲得すると、FLラクラン・ボーシェーがクイックスタートでトライエリアに飛び込んだ。山沢のコンバージョンキックも決まり、46-0でノーサイド。ワイルドナイツが開幕戦を完封勝利で飾った。
堅いディフェンスとディシプリンを発揮したワイルドナイツ。キャプテンの坂手は「これがワイルドナイツというものを示せた」と胸を張った。今季から指揮を執る金沢HCは「点差はいろいろなことがあって出るもの。選手がよくやってくれた」と語り、「18試合中の1試合。どういうマインドセットで次の試合に臨むかが大事」と締めた。
今季のワイルドナイツは11シーズン、チームを率いたロビー・ディーンズ監督が退任(エクゼクティブアドバイザー)し、金沢BKコーチがHCに昇格した。そのほか堀江翔太がFWコーチ、ベリック・バーンズがBKコーチに。HOに転向した布巻峻介はコーチ兼任となった。ワイルドナイツの伝統を知る者たちがコーチに就いた効果は絶大だ。
試合後の会見で坂手は「プレシーズンにやってきたこと、先週1週間の準備がいいかたちでゲームに反映された。各コーチがいい落とし込みしてくれて、各選手がそれを理解した上でいい準備に繋がった。それが出た」と明かす。
「金沢さんも長く僕たちをコーチングしてくれていたので、大きな変化はないです。プラスアルファ今年から、バンジー(バーンズBKコーチ)、堀江さんたちなどコーチンググループに入ってきた。特にディティールのところに関しては磨きがかかっている」
WTB竹山晃暉も「金さん(金沢HC)に代わったからと言って特別に何かが変わることはない。文化の継承はしっかりできていると思います」と証言する。
前年のチャンピオンチームで、リーグ最多得点を誇ったブレイブルーパスを無得点に抑えた。「この試合に向けては布巻がディフェンスを担当している。彼がすごくいい準備をしてくれて、それに対し選手たちがうまく反応したのが一番大きなところかなと思います」と金沢HC。坂手も布巻の指導が大きかったという。
「コリジョンのエリア、タックルをした後の2人目。そこに関してはプレシーズンもこだわってきました。プレシーズンでは失敗もありました。峻さん(布巻)を中心にディフェンスを構築していった」
アタックを見るバーンズBKコーチについて「今でも一番巧いのがバンジー」と口にするのが、この試合でプレースキック100%成功させ、POMに選出された山沢だ。「やるべきことを明確にしてくれる。ひとつひとつの声掛けもそうですし、常に気にかけてくれるし、すごくいい影響を与えてもらっている」。今季からアタックリーダーを担当するPR稲垣啓太も「勉強させてもらっています。僕がワイルドナイツに入った時、アタックはベリック(バーンズBKコーチ)に教わっていた。自分もいろいろと知識を得た状態で彼と話し、すごくいいディスカッションができていると思う」と振り返った。
(文・写真/杉浦泰介)