6月7日(木)の午後7時〜午後9時、第2回「愛媛FCサポーターズミーティング2012」が、松山市総合コミュニティセンター3階の大会議室にて行われた。 
 今年の1月に行われた第1回に引き続いて2回目の開催となったサポーターズミーティング。開催の告知も間際で、平日の夜にも関わらず、当日の会場には、およそ100名のサポーターやマスコミ関係者の方々が詰めかけており、その関心度の高さがうかがえた。
(写真:ゴール裏席の改修工事が進むニンジニアスタジアム)
 今回は、愛媛FCの亀井文雄社長や佐伯真道ゼネラルマネジャーにも、ご参加いただき、「Jリーグ・クラブライセンス制度」に関する知識を深めるための勉強会のようなミーティングとなった。
 
 クラブライセンス制度は、ドイツサッカー協会の発祥だ。これをもとにヨーロッパサッカー連盟では2004−2005シーズンから導入され、UEFAチャンピオンズリーグへの参加資格として大会の価値向上に寄与している。
 国際サッカー連盟でも2008年より導入されたことを受けて、アジアサッカー連盟においても2013年よりアジアチャンピオンズリーグ(ACL)の参加資格としてクラブライセンス制度が設けられることになったのだ。もちろんJリーグのクラブもACL出場を目指す以上、「このライセンスに則ったレベルでなければならない」ということになる。
 
 Jリーグ・クラブライセンス制度の目的は、「日本サッカーの水準の向上やクラブ経営の安定化。また、各種規定や規則の遵守や環境の整備」などで、日本サッカーのレベルの向上を望んでいる私にとっては納得できる内容ではある。
 しかし、その一方で「Jリーグ参入7年目ではあるものの、愛媛のようなプロスポーツ文化が、まだまだ根付いていない地域に対して、プロスポーツと長く付き合ってきた大都市圏のクラブと同様の高いハードルを押し付けるのは、いかがなものか?」と疑問に感じる部分もある。
 
 提出期限の6月30日までに、2013年度のライセンス申請書の提出を完了する愛媛FC。その上で、いよいよ審査となるのだが、申請書の内容によっては、「愛媛FCは、2013年度はJ1のライセンスですよ」、あるいは「残念ながら2013年度はJ2のライセンスですよ」とJリーグ側から9月30日に審査結果の通知が来るようだ。

 その後、結果に対して上訴もできるが、今年の11月30日には翌シーズンのカテゴリーが決定されてしまう。もちろん「J2のライセンスですよ……」と言われた日には、選手たちが頑張ってリーグ戦で良い成績を出したとしても、「J1への昇格ができない!?」なんてことが起こるかもしれない。
 
 6月30日が提出期限となる「ライセンス申請」だが、その審査では乗り越えなければならない5つの基準がある。
1.競技基準
2.施設基準
3.人事体制・組織運営基準
4.法務基準
5.財務基準
 
 愛媛FCが、J1ライセンス取得に向けて、現在ネックとなっているのが「2.施設基準」と「5.財務基準」なのである。財務基準については、クラブ内にて監査法人を入れるなど対応を進めており、クリアに近づいているようだ。
 
 大きな問題は、施設基準と言えるだろう。ホーム・スタジアムとなるニンジニアスタジアムの固定席の数は現在10,000席。J1ライセンスをクリアするには、15,000席以上を有していなければならないのだ。

 それでも、ニンジニアスタジアムは、2017年の愛媛国体開催に向けて改修工事を進めており、2014年3月には、15,000席を越える固定席を有するスタジアムへと変貌する予定。この改修工事計画をもとに愛媛FCは、「自治体と協力して、ニンジニアスタジアムをホーム・スタジアムとしたJ1ライセンスの早期取得を目指している」とのことであった。

 どんなに急いでも15,000席以上を有するには、2014年の工事完了を待たなければならない訳で、2013年度の格付けを決定する審査が、どのような結果になるのか、本当に不安でならない。結果によっては、チームやサポーター、支援者(スポンサー)のモチベーションにも関わる重要な局面を迎える可能性もあり、その点も心配である。
 
 今回のサポーターズミーティング開催によって、明らかにされた情報もあったし、新たな問題点も浮上してきたと思う。これらを受け止めて、私たちサポーターが今すべきこと、できることを、しっかりと考え、今後に向けて提言していきたいものだ。
 
【お知らせ】
 今回開催された第2回「愛媛FCサポーターズミーティング2012」の議事録は「愛媛ゴール裏net」のブログに掲載されています。
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松本 晋司(まつもと しんじ)プロフィール
 1967年5月14日生まれ、愛媛県松山市出身。
 愛媛FCサポーターズクラブ「Laranja Torcida(ラランジャ・トルシーダ)」代表。2000年2月6日発足の初代愛媛FCサポーター組織創設メンバーであり、愛媛FCサポーターズクラブ「ARANCINO(アランチーノ)」元代表。愛媛FC協賛スポンサー企業役員。南宇和高校サッカー部や愛媛FCユースチームの全国区での活躍から石橋智之総監督の志に共感し、愛媛FCが、四国リーグに参戦していた時期より応援・支援活動を始める。 
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