再現ではなく、新たな表現へ ~YUZURU HANYU “REALIVE” an ICE STORY project~

ロゴ提供:ICE STORY project広報事務局
プロフィギュアスケーターの羽生結弦が製作総指揮を執り、出演する「YUZURU HANYU “REALIVE” an ICE STORY project」が4月11日、12日の2日間にかけて宮城県利府市内のセキスイハイムスーパーアリーナで行なわれる。チケットの先行販売は1月23日からスタート。詳細は公式サイトより。
羽生はこれまで、「GIFT」、「RE_PRAY」、「Echoes of Life」と3つのICE STORYを生み出した。今回のREALIVEは<羽生結弦がこれまで生み出してきたプログラムたちを、もう一度“生きた存在”として立ち上げる>(公式サイト)という。
羽生は昨年8月から「メンテナンス期間」と称し、肉体改造や技術向上に時間をあててきた。メンテナンス期間明けの舞台は3月に同会場で行なわれる「羽生結弦 notte stellata 2026」になるが、メンテナンスに入ってからICE STORYを公で披露するのは、“REALIVE”が最初となる。
羽生は、公式サイトでこう綴った。
< これまで生み出して、一緒に過ごしてきたプログラムたちは、きっと皆さんの中で様々な思い出と共に、息づいているのだと思います。この時代では、生でなくても、何度も見返すことができて、いろんな方に届いて。そうやって私のプログラムたちが、生きている存在になっているんだなって、嬉しく思っています。
だからこそ、二度と同じにはならない、この世界の一秒一秒を、今ここに生きているんだって感じてもらえるように。
唯一無二の、一人一人の感性に、二度と同じ瞬間などないプログラムたちが、届くように。
その日、その場所で、その時にしかできないプログラムを届けられるよう、
いまの私の身体を通して、魂込めて、全体力を込めて、滑らせていただきます。
また、皆さんの新しい呼吸と、思い出や想いと、
プログラムたちが一緒に生きてくれるように。>
メンテナンス期間を設けた羽生にとって、<いまの私の身体>というところがREALIVEのキーポイントになるのだろう。これまでとの違いを見せようとする彼の覚悟を感じる。
主催者であるテレビ朝日のYouTubeチャンネルの動画では、羽生がメッセージを寄せ、スピンを披露している。
そのスピンから、進化が見える。バレエでいうところの「顔(スポット)を付けて」回っている。元々、羽生のスケートからはバレエの要素を感じる瞬間はあった。付言すれば、彼がダンスの基礎を学んでいることも有名な話だ。
フィギュアスケートの基本的なスピンは、バレエの基本的な回転(ピルエットなど)と逆方向なのは言うまでもない。それでも動画内で見せたスピンは、これまで以上にフィギュアスケートのそれと、バレエのそれを巧みに、そして色濃く掛け合わせているように筆者には映った。
それこそが、<いまの私の身体>による表現の一部であり、<二度と同じ瞬間などないプログラムたち>なのかもしれない。
再現ではなく、新たな表現へ――。観る者は、ギアを上げる必要性があるだろう。
(文/大木雄貴)