5度目のW杯へ。長友佑都が開幕戦で示した“決意”

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 39歳、長友佑都が元気だ。バリバリだ。

 

 秋春制移行に伴ってハーフシーズンとなる「百年構想リーグ」が開幕。2月7日、FC東京は味の素スタジアムに昨季覇者の鹿島アントラーズを迎え、突入したPK戦に勝利して勝ち点2を手にした。

 

 日本代表を率いる森保一監督が視察に訪れたなか、目を引いたのが左サイドバックで先発した長友である。攻撃に絡もうとする意識が非常に高かった。

 

 前半40分のプレーは実に長友らしかった。アントラーズの後方からのパスをボランチの常盤亨太がカットすると、左サイドハーフの遠藤渓太へ。それと同時に長友が一気に左サイドをオーバーラップして遠藤からパスを受け取ると、ゴール前に入ってきたストライカーの長倉幹樹に向けてクロスを送る。呼吸こそ合わなかったが、相手の間を通したボールは、結果的に遠藤のシュートを引き出している。絶妙なクロスが演出した決定機であった。後半5分、左サイドからフリーで放ったマルセロ・ヒアンに送ったクロスを含め、得点には至らなかったものの「クロスの質」における見せ場がいくつかあった。

 

 昨季は右での出場が増えていただけに“本職”の左に入ったことで、水を得た魚のようだった。かつ例年より早い2月上旬ながら、周囲と比べてもコンディションはとても良いと感じた。オフから妥協なく、しっかりとトレーニングを積んできたのだろう。6月に開幕する北中米ワールドカップに照準を合わせ、メンバー入りへの決意が伝わってくるようなパフォーマンスであった。

 

 本大会のメンバーに選ばれれば、日本歴代最多の5大会連続となる。登録メンバーは26人。日本代表には継続的に招集されてきたとはいえベンチ外になることも少なくなく、現状は当落線上にあると言っていい。3-4-22-1を主軸のフォーメーションとするなか3バックの左でもテストされたが、本人としてはやはり左ウイングバックで勝負したいところ。開幕戦は森保監督に自分の攻撃力をアピールする絶好の場ともなった。攻守においてツボを押さえたプレーは、経験のなせるワザとも言える。

 

 長友のキャリアは輝かしい。

 

 日本代表では2011年のアジアカップを制し、南アフリカ、ロシア、カタールと3大会でワールドカップのグループステージ突破に貢献している。国際Aマッチ通算144キャップは、遠藤保仁の152キャップに次ぐ歴代2位である。クラブに目を移しても7シーズン半過ごしたインテルではコッパ・イタリアを制し、トルコのガラタサライでは2年連続でリーグ王者に輝いている。

 

 全盛期に比べれば長友のパフォーマンスに対する不満の声もある。しかしながらそれをエネルギーにしてしまうのが長友である。

 

 かつてインタビューでそのことについて尋ねたことがある。長友はこのように語っていた。

 

「大きく称賛されるのも大きく批判されるのもその選手の価値だと思うんです。日本代表としてプレーして期待と責任を背負って戦っている証でもある。だから後輩や若手には言うんです。称賛もそうだけど、批判も含めてその大きさが自分の価値なんだよって」

 

 当落線上にある現状のほうが、逆境にあるほうが燃えるタイプであるのは明らか。序列を上げていく大ベテランの“オーバーラップ”に要注目である。

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