26日、サッカー日本代表は南アフリカW杯3次予選グループ2第2戦(アウェー)でバーレーン代表に0−1で敗れた。後半33分、FWアラー・フバイルにゴールを許し、追いつけなかった。この結果、日本はグループ2位に転落した。

◇3月26日、バーレーン
バーレーン代表 1−0 日本代表
【得点】
[バ] アラー・フバイル(77分)
 日本のシステムはゴール前に人数をかけた3−5−2。最終ラインはDF阿部勇樹、DF今野泰幸がDF中澤佑二を囲み、2トップはFW巻誠一郎とFW大久保嘉人が組んだ。トップ下には2月の東アジア選手権で2ゴールを挙げたMF山瀬功治が起用された。

 前半から守勢に回った。22分、左クロスからFWフバイルにヘッドを打たれ、前半終了間際にはMFファタディに右にわずかにそれるミドルシュートを許す。攻撃では持ち味のリズミカルなパス回しが影を潜め、フィニッシュに持ち込むことができない。

 後半に入るとバーレーンの攻撃はさらに鋭さを増した。開始早々の2分、PA内でこぼれ球を拾ったMFオマルがクロスバー直撃のシュート。日本はリズムを変えるべく、11分にMF遠藤保仁を、26分にMF山岸智を投入したが、決定的な場面をつくれず。

 逆に、後半32分、左クロスをGK川口能活がこぼしたところをFWフバイルに頭で決められて、痛恨の失点を喫した。1点のビハインドを背負った後は、FW玉田圭司を投入し、前線の枚数を増やしたが、ゴールが遠かった。0−1で岡田武史監督が就任して初の黒星を喫した。

 この結果、勝ち点を6に伸ばしたバーレーンがグループ首位に浮上し、勝ち点3のままの日本は同2位に転落した。南アW杯3次予選の残り4試合は6月に一挙に開催され、第3戦(6月2日)は勝ち点3で並ぶオマーンとホームで対戦する。

<中澤「受けて立ってしまった」>

 3バックシステム、遠藤の先発外しなど岡田体制で初めての様々な試みを行い、アウェーで勝ち点を狙ったが、結果には結びつかなかった。

「相手チームに対して、ちょっと受けてしまったというのはある。もう少し積極的に攻めることができれば、(結果は)変わったのかなと」
 中澤のこの言葉が全てを表していた。アウェーの戦いで序盤は様子を見ていたとはいえ、前半から運動量が少なく、バーレーンに主導権を握られた。

 失点のシーンでは一瞬の隙を突かれた。セットプレーの流れからロングパスを左サイドに通される。得点に結びつくクロスをあげたFWイスマイルはフリーだった。それ以前に、途中出場の山岸がシュートを放つなど攻勢だっただけに、守備がおろそかになっていたことは否めない。「フリーキックから(ロングパス)1本なんでね。もったいないなと思う」とMF中村憲剛は苦々しい表情で話した。

 3次予選初戦のタイ戦(2月6日)で効果的だったセットプレーも不発に終わった。後半に入って、バーレーンの足が止まったが、そのチャンスも生かせず。2トップの巻、大久保は2人合わせてシュートがわずか1本だった。

 この試合でベストメンバーが組めなかったことは事実だ。エースのFW高原直泰は右ももの筋挫傷で試合前日に離脱。メンバーに選ばれていたMF稲本潤一は右もも肉離れでチームに合流できず、招集が期待されたMF中村俊輔は過密日程で見送られた。敗戦の言い訳は思い浮かぶが、今後も同じような状況は起こりうることを考えれば、口にするべきではない。

 バーレーンに敗れたのは、国際Aマッチ5度目の対戦にして初。6月の第3戦オマーン戦に向けて、明らかに流れは悪い。オマーン戦は同じ勝ち点で並ぶ相手で加えてホーム。仮に敗れることがあれば、最終予選進出圏内の2位以内が危うくなる。南アフリカW杯を目指す日本が早くも、厳しい状況へ追い込まれた。

<日本代表出場メンバー>

GK
川口能活
DF
中澤佑二
今野泰幸
阿部勇樹
⇒玉田圭司(82分)
MF
駒野友一
安田理大
⇒山岸智(72分)
鈴木啓太
中村憲剛
山瀬功治
⇒遠藤保仁(56分)
FW
巻誠一郎
大久保嘉人