第317回 龍馬とボウリング 幕末動乱期の長崎
日本には、スポーツに関する数々の記念日がある。最も有名なのは「スポーツの日」で、1964年の東京五輪開会式が行なわれた10月10日を記念して、66年に「体育の日」として祝日に制定された。
2000年から10月の第2月曜日に変更されたが、前々日からの3連休では、数多くのスポーツイベントが開催されている。
人気スポーツでありながら、意外と知られていないのが2月5日の「プロ野球の日」。なぜキャンプ中の2月5日なのか。実は、1936年のこの日に、全日本職業野球連盟が結成されたからである。
ちなみに契約者第1号は、大日本東京野球俱楽部(後の巨人)と契約し、監督として巨人、西鉄、大洋の3球団を日本一に導いた三原脩。第5回WBC優勝監督の栗山英樹が師と仰ぐ知将である。
同じ2月には「プロレスの日」もある。1954年2月19日、東京・蔵前国技館で、日本で初となる本格的なプロレスの国際試合が行なわれた。
メインイベントは力道山・木村政彦組対ベンとマイクのシャープ兄弟(カナダ)。NHKと日本テレビは、この歴史的な一戦を生中継し、新橋駅西口広場に設置された街頭テレビの前には、約2万人の観衆が集まった。
その力道山の愛弟子アントニオ猪木が、現役のプロボクシングヘビー級世界王者モハメド・アリと戦ったのが1976年6月26日。40年後の2016年に、日本記念日協会から「世界格闘技の日」として認定された。
「プロレスの日」があるくらいだから、当然「ボクシングの日」もある。それは5月19日。1952年のこの日、後楽園スタヂアムでの世界フライ級タイトルマッチで挑戦者・白井義男が判定でダド・マリノ(米国)を破り、日本人初の世界王者となった。
レアなところでは、6月22日の「ボウリングの日」。当時、アイドルタレントなみの人気を誇っていた中山律子が、女子プロとして初のパーフェクトゲームを達成した日か!? そう思っていたが、早合点だった。
1861年6月22日、長崎の外国人居留地に、国内初のボウリング場が開設された。マシュー・ペリー率いる4隻の“黒船”が浦賀に来航したのが1853年7月8日。江戸幕府が260年の歴史に幕を降ろした大政奉還が1867年11月9日。まさか幕末の動乱期にボウリングとは……。
1865年に長崎に「亀山社中」を結成した坂本龍馬もボウリングを楽しんでいたのでは、との説もあるが、舶来物好きの龍馬なら、さもありなん、である。
<この原稿は『週刊漫画ゴラク』2026年3月27日-4月3日合併号に掲載されました>