IWGP女王・朱里「やりたいことは全部やり、結果を出す」 ~女子プロレス~

facebook icon twitter icon

 女子プロレス団体「STARDOM」(スターダム)の朱里は、第4・6代IWGP女子チャンピオンである。2026年1月4日、新日本プロレスの東京ドーム大会で、2025年プロレス大賞MVPの上谷沙弥と死闘を繰り広げ、IWGP女子王座初防衛&STRONG女子王座奪取に成功した。4月26日の横浜アリーナ大会でメーガン・ベーン(アメリカ)とのIWGP女子3度目の防衛戦に臨む朱里に話を聞いた。

 

――新日本プロレスの目玉興行である1.4(イッテンヨン)の東京ドーム大会で、上谷選手とダブルタイトルマッチを行ないました。4万6000人を超える満員の東京ドームの声援は、地響きのように感じるという話を聞いたことがあります。実際、あの場に立ってみて、どうでしたか?

朱里: カードが決まった時から、とてもうれしかった。これまでプロレスを18年やってきていますが、数十人のお客さんの前で試合をした経験もあります。東京ドームという大きな会場で、しかも棚橋(弘至)さんの引退興行でした。そういう特別な興行で、女子のタイトルマッチが行なわれたというのは特別なこと。私自身、元々プロレスが好きで始めたわけではなく、俳優になりたかった。それがプロレスと関わり、苦しいことやつらいことも経験してきましたが、続けてきたからこそ、この特別な舞台に辿り着くことができた。だから、プロレスに出会い、大好きになって良かったという気持ちが強く湧いてきました。

 

――入場時に歩いた花道は格別でしたか?

朱里: そうですね。変わらず応援してくれる人の存在がすごく大きいなと感じました。IWGP女子の初めての防衛戦、それにSTRONG女子王座も懸かっていた試合だったので、当日は、いつも以上に集中していました。ここで勝って絶対に2冠を取るぞ、と気合いも入っていました。あの時の光景は、今でも忘れられませんね。

 

――試合は必殺技の“朱世界”(相手を肩車で担ぎ、首を抱えて前方回転させながらパワースラムで投げ落とし、自身の体を浴びせつつマットに突き刺す技)でトドメを刺し、3カウントを奪いました。

朱里: 2冠チャンピオンとなり、試合に勝った時は、正直ホッとしました。たくさんの人に女子プロレス、スターダムを届けることができたと思ったら、もうメッチャうれしかったし、もっとたくさんの人に自分の試合を届けたいという気持ちが、溢れてきました。

――上谷選手はプロレス大賞MVPを女子選手で初受賞するなど、2025年のプロレス界の顔とも言える存在でした。彼女はヒールユニット「H.A.T.E.」の一員。ヒールが主役に立つ世界を一変させたいという思いも?

朱里: もちろん、その思いはあります。2025年は上谷がたくさんのメディアに露出してくれたおかげで、女子プロレス、スターダムに興味持ってくれた人がたくさんいるので、すごくありがたかったし、ありがとうという感謝の気持ちもあります。でも、自分の存在で世の中に影響を与えていきたいです。


――試合前のインタビューで、「いつかはスターダムで東京ドームまたは大きな会場でやりたい」と話していました。それは東京ドームの舞台に立って、一層強くなりましたか?
朱里: はい。スターダムでも絶対実現できると思っています。あとは海外では格闘技の聖地と呼ばれる、アメリカ・ラスベガスのマディソン・スクエア・ガーデン(MSG)のリングにも立ちたい。そこはスターダムとしての興行もそうですが、個人としても立ちたい。私は格闘技を経験してきたので、MSGのリングに立つことが夢ですね。

 

「スターダムに来て良かった」

――2月にアメリカのリングでもIWGP女子を防衛していますが、慣れない場所での闘いは?

朱里: 私は現状に満足したくない。新たな刺激に興味がありますし、自分自身が進化していきたいという気持ちがすごく強い。だから海外へどんどん飛び出し、新たな選手との闘いや知らない世界を経験することは、すごくワクワクします。

 

――朱里選手は、ハッスルでプロレスデビューし、キックボクシング、MMA(総合格闘技)を経て20年1月にスターダム初参戦しました。同年11月に所属レスラーとなり、5年半が経ちました。

朱里: スターダムに参戦するようになってから、注目してもらえるようになりました。例えば週刊プロレスさんや格闘技雑誌の表紙とは全く無縁でした。私の中でも、全然取り上げてもらえないという、もどかしさはずっと感じていました。こうやって注目してもらえる場所に来たからこそ、週プロの表紙になれたり、結果を出していく中で女子プロレス大賞を受賞し、自伝本も出すことができました。そこはスターダムに来て、本当に良かったと思っています。

 

――朱里選手が感じるスターダムという団体の魅力は?
朱里: いろいろな選手がいて、個性が溢れる選手が揃っている。皆、華やかなので、誰かしら推しが絶対見つかると思うんです。私は昨年ヒジを怪我して、欠場期間があったんですが、その時にスターダムの試合を客観的に観て、やっぱり面白いなと改めて感じました。

 

――激しいプロレススタイルや、エンターテインメント色が強いなど、プロレス団体によっての特徴はありますが、スターダムを評するならどういうプロレスだと感じますか?
朱里: 言葉にするのはすごく難しいですね。スターダム独自のジャンルという気もするし……。一度会場に来て観て迫力や熱を感じてほしいです。そこでスターダムってこんな団体なんだって肌で感じてもらえたらうれしいです。

 

――朱里選手はドラマや舞台に出演されるなど、元々夢だった俳優としても活躍されています。そのモチベーションは?
朱里: 私は自分の人生を悔いなく生きる、ということを心掛けています。私のママが、2020年に58歳で亡くなってから、思ったこと、やりたいことは全部やると決めました。“今はできない”とか“プロレスが忙しいからできない”と言い訳せず、挑戦し続ける。プロレスはもちろん本気でやるし、俳優業も仕事をもらえたら全力でやる。自分のやりたいことを全部本気で取り組み、全部結果を出す。それを絶対にやってやるって思っています。

 

朱里(しゅり)プロフィール>

1989年2月8日、神奈川県出身。本名:近藤朱里。ハッスルでKG(空手ガール)のリングネームでデビュー。同団体の活動中止を受けSMASHの旗揚げに参加すると、以降はWAVEやアイスリボンなどさまざまな団体に参戦した。さらにキックボクシングや総合格闘技の世界でも活躍。アメリカの総合格闘技団体UFCに参戦、日本人女子ファイター初勝利を挙げた。20年10月、スターダム入団。21年には5★STAR GP優勝の勢いを駆って、12月29日の両国国技館大会でワールド王座を初戴冠。10度の防衛を果たし、22年度のプロレス大賞の女子プロレス大賞を受賞した。25年4月27日の横浜大会でIWGP女子王座に挑み、王座奪取。今年1月4日には新日本の東京ドーム大会にて、IWGP女子&STRONG女子ダブル王座戦が行われ、STRONG女子王者の上谷沙弥を破り、二冠を達成した。STRONG女子の王座は失ったものの、IWGP女子は現在2度の防衛中。身長164cm。

 

(取材・構成/杉浦泰介、写真/ⓒSTARDOM)

 

BS11では毎週火曜日23時半より「We are STARDOM!!~世界が注目!女子プロレス~」を放送中です。朱里選手が語る「個性に溢れ、華やかな」選手たちのリングでの躍動を、ぜひご覧ください!

facebook icon twitter icon

BS11(イレブン)

公式サイトcopy icon

BS11が提供する数多くのスポーツコンテンツの中から、オススメ番組を厳選。 コラム、インタビューを通じて皆さんにスポーツの魅力をお伝えいたします。

Back to TOP TOP