第319回 最強ニッポン出陣 優勝候補に名乗り
サッカーW杯の優勝国・地域は、ブラジル(5回)、ドイツ(西独含む4回)、イタリア(4回)、アルゼンチン(3回)、フランス(2回)、ウルグアイ(2回)、イングランド(1回)、スペイン(1回)の8カ国・地域である。
さる3月31日(現地時間)、聖地ウェンブリー(ロンドン)で行われたFIFAランキング4位のイングランドとの国際親善試合に勝利(1対0)したことにより、日本が勝ったことのないW杯優勝国は、いよいよイタリアだけになった。
そのイタリアは、なんとボスニア・ヘルツェゴビナとのプレーオフ決勝でPK戦の末に敗れ、3大会連続でW杯出場を逃してしまった。
カルチョと呼ばれるサッカーは、イタリアにとっては事実上の「国技」である。2006年7月、ドイツでアズーリ(イタリア代表の愛称)が4度目のW杯優勝を達成した瞬間、ローマのコッロセオ周辺では定番のトルチャ(発煙筒)を手にした人など約十万人が喜びを爆発させた。
そのイタリアを大会前、私は優勝候補の本命に推した。
<今回の(ユベントスを中心にした大がかりな)八百長問題が逆バネになりそうだ。カルチョを守るためには勝つしかない。82年はパオロ・ロッシが(八百長疑惑による)出場停止明けで、汚名返上のために奮闘した。今回は、みんながロッシになっている>(スポーツニッポン06年6月1日付け)
閑話休題。先にW杯優勝8カ国・地域のうち7チームから日本は勝利を得ていると述べたが、そのうちのべ6勝は森保ジャパンである。
18年10月 ウルグアイ(4対3)親善試合・埼玉
22年11月 ドイツ(2対1)カタールW杯
22年12月 スペイン(2対1)カタールW杯
23年9月 ドイツ(4対1)親善試合・ヴォルフスブルク
25年10月 ブラジル(3対2)親善試合・東京
26年3月 イングランド(1対0)親善試合・ロンドン
とりわけカタールW杯でのドイツ、スペイン相手の逆転劇は印象深い。以降、選手たちは、前半は引き気味に戦い、追う展開になった後半、一気に攻撃のアクセルを踏む戦いぶりを“戦術カタール”と呼ぶようになった。
昨秋のブラジル戦は、前半2点のビハインドを、後半に入って引っくり返し、世界を驚かせた。翻って先のイングランド戦は前半23分にあげた虎の子の1点を守り切った。
着実に勝ちパターンを増やしてきた日本は、今やダークホースどころか、優勝候補の一角に迫ろうとしている。
<この原稿は『週刊漫画ゴラク』2026年5月8日号に掲載されました>