6月30日(日)、プレナスチャレンジリーグ2013の第13節となる愛媛FCレディース対セレッソ大阪堺レディースの一戦が、愛媛県総合運動公園球技場にて行われた。第12節終了時点で3連敗中の愛媛FCレディース。このホームゲームで、浮上のきっかけをつかみたいところである。
(写真:試合終了後、クールダウンを行う愛媛の選手たち)
 時刻は午後1時をまわり、セレッソ大阪堺レディースのキックオフで試合がスタートした。序盤から積極的な攻撃の姿勢をみせる愛媛。前半27分、敵陣中央でMF山城見友希選手から右サイドのMF小川真名美選手へとパスが通る。小川選手が敵DFを引き付けつつ、ペナルティアーク手前へと駆け上がるMF阿久根真奈選手へとラストパスを供給。このボールを阿久根選手が右足をダイレクトで振り抜き、ミドルシュートを放った!

 矢のような鋭いシュートは、敵GKが必死に伸ばした手の先を擦り抜け、ゴールイン! 欲しかった先制ゴールを手に入れ、勢いに乗る愛媛FCレディース。
 
 その2分後の前半29分、MF西川早弓選手が敵陣内の右サイドをドリブルで駆け上がる。同サイド深い位置から、ペナルティエリアに向けてグラウンダーのクロスを折り返した。そこへ走り込んできたのは、またもや阿久根選手。タイミング良くボールをとらえ、右足で軽く合わせるようにシュートを放った!

 狙いすましたボールは、敵GKのモーションの逆をつき、見事ゴールネットを揺らした! 阿久根選手による連続得点に、スタンドでは大歓声が沸き起こる!
 
 前半36分、今後は敵陣内の右サイドでフリーキックのチャンスを得た愛媛。キッカーは阿久根選手だ。ボールをセットし、ペナルティエリアへとロビングのボールを供給。これに合わせたのは、ゴール前に陣取るDF小野山奈々選手だった。

 敵DFと競り合いながらジャンプし、ヘディングシュートを放つ! ボールは弧を描きながら、敵GKの頭上を越え、見事ゴールイン! 前半は3−0のスコアで終了する。
 
 3点差がつき、油断したのか、愛媛は後半に入ると相手に押し込まれるシーンが目立ってきた。後半12分と18分、立て続けに得点を決められ、1点差にまで追い上げられる。
 
 そんな中、途中出場の選手たちが劣勢ムードを一掃してくれた。後半43分、敵陣内の左サイドから阿久根選手がフリーキックを放つ。後半からピッチに入ったMF山田真弥選手が、これを中央でとらえ、左サイドのMF中田麻衣子選手へとボールを送る。

 中田選手は敵DFを引き付けつつ、中央を駆け上がる山田選手へとラストパスを供給。足元にボールを収めた山田選手が敵DFをかわしながら右足でシュート! ボールはゴール左隅へと吸い込まれていった。チームメイトと抱き合い、喜びを爆発させる山田選手!
 
 後半45分には、敵陣内の左サイドを突破した中田選手が、ゴール前にクロスボールを折り返す。このボールが直接ゴールマウスへと突き刺さり、5点目をゲット! アディショナルタイムに1点を返されるも、そのまま試合終了。5−3の最終スコアで愛媛FCレディースが勝利し、連敗脱出に成功した。
 
 
 7月28日(日)には同リーグの第15節となる愛媛FCレディース対ジュブリーレ鹿児島の一戦が、北条スポーツセンター陸上競技場にて行われた。朝からあいにくの雨模様となった試合会場。ピッチコンディションも不良のようだ。
 
 午前11時30分、愛媛のキックオフで試合がスタートした。序盤から積極的に、ボールへとアプローチを仕掛けてくる鹿児島イレブン。愛媛は相手の運動量と、ぬかるんだピッチに足を取られ、思うようにボールをキープできない。前半は苦しい展開となった。
 
 押され気味のまま、両チームスコアレスで前半が終了。ハーフタイムに監督の指示を受け、守備の修正や攻撃の確認などを施して愛媛は本来の調子を取り戻す。

 後半3分、敵陣内中央で阿久根選手からのスルーパスを受けた西川選手が、相手DFラインの裏に抜け出し、先制ゴールを決める!
「オッオー! オオオオオオオオオ! ニシガワ・サユミー!」
 西川選手を称える歓喜のチャントが会場に鳴り響く!
 
 後半23分、中田選手が敵陣内の左サイドから巧みなドリブルでペナルティエリアまでボールを持ち込み、DFラインを突破する。だが、その直後、背後から接触され転倒。これが相手側のファウルとなり、PKのチャンスを得た。ファウルを受けた中田選手が、自らボールをセットし、PKを落ち着いて決め、2−0とリードを広げた。
 
 しかし、喜びも束の間。その1分後に、一瞬のスキを衝かれ、相手に1点を献上してしまう。
 
 それでも、疲れが見えてきた相手に対し、慌てずボールをキープできるようになった愛媛。後半35分、阿久根選手からパスを受けた小川選手がペナルティエリアまでボールを持ち込み、敵DFを引き付けつつ、中央にボールを折り返す。

 そこに飛び込んできたのは、中田選手。GKの位置を確認しながら右足を振り抜き、相手ゴールへと流し込んだ! チームメイトと喜びを分かち合う中田選手! サポーターたちも「スウィーギン、スウィンギン愛媛、フォーエヴァー!」と大合唱!
 
 相手も意地を見せ、アディショナルタイムに1点を返されるが時間は過ぎ去り、タイムアップ。3−2の最終スコアで愛媛が雨中の接戦を制した。

 今後も強敵、難敵との連戦が控え、厳しい気候の中での試合が続くと思われるが、コンディションを整えながら夏場を乗り切ってほしいと感じる。今回、愛媛FCレディースは、日々の努力と公式戦での実績が認められ、愛媛県から4年後の愛媛国体に向けた強化指定チームに認定された。これを機に、彼女たちの活動環境が少しでも向上してくれることを願いたいものだ。


松本 晋司(まつもと しんじ)プロフィール>
 1967年5月14日、愛媛県松山市出身。
 愛媛FCサポーターズクラブ「Laranja Torcida(ラランジャ・トルシーダ)」代表。2000年2月6日発足の初代愛媛FCサポーター組織創設メンバーであり、愛媛FCサポーターズクラブ「ARANCINO(アランチーノ)」元代表。愛媛FC協賛スポンサー企業役員。南宇和高校サッカー部や愛媛FCユースチームの全国区での活躍から石橋智之総監督の志に共感し、愛媛FCが、四国リーグに参戦していた時期より応援・支援活動を始める。
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