2月6日、南アフリカW杯アジア3次予選が始まる。サッカー日本代表は同予選初戦(埼玉スタジアム)でタイ代表と対戦。勝ち点3を獲得して、予選突破に向けて幸先のいいスタートを切りたいところだ。
 FIFAランキングは日本の34位に対して、タイが107位。実力的には日本が上だが、油断すれば足元をすくわれる。タイは大柄ではないが、俊敏性あふれるサッカーが特長。日本との対戦成績も97年以降は1勝1分1敗と五分に持ち込んでいる。

 近年は成長著しい。2007年のアジア杯で同大会優勝のイラクと引き分け、オマーンを破る殊勲をあげた。同大会では、結果的に0−4で大敗したものの、小気味のよいドリブルとパスワークで豪州も苦しめている。
 今年の2月1日にはAFCチャンピオンズリーグ優勝経験を持つ全北現代(韓国)に2−0で快勝。仕上がりも上々なようだ。日本代表の岡田武史監督は「(3次予選で対戦する3チームの中で)タイが1番いいチームと聞いている」と警戒を強める。
 
 気をつけるべきは切れ味鋭いカウンターだろう。ホームゲームで格下のタイが相手ということもあり、日本は勝ち点3を得るべく点を獲りにいかなければならない。そこで裏を狙われる恐れがある。特に、南アW杯1次予選、2次予選で7ゴールを挙げているエースFWサラーユットには注意が必要だ。代表戦の経験が豊富なMF鈴木啓太、DF中澤佑二、DF阿部勇樹を中心に目を光らせたい。最悪でも先制点を奪われることは避けなければいけない。

 94年W杯アメリカ大会からW杯予選の初戦はすべて1−0と苦しい戦いが続いている。今回と同じくタイと戦ったアメリカ大会1次予選初戦(93年4月8日)では、前半29分のFW三浦知良のゴールで辛勝。ドイツ大会1次予選初戦(04年2月18日)で後半ロスタイムにFW久保竜彦が決勝点を挙げて、窮地に追い込まれたチームを救ったことは記憶に新しい。

 岡田体制が始動してわずか2ヶ月。準備期間の少なさ、初戦の難しさを考えると今回も間違いなく厳しいゲームになるだろう。