1月23日に行われた「中村時広 新春の集い2015」のステージ上には、頭を下げ謝罪する愛媛FC新監督・木山隆之さんの姿があった。 
 新春を迎え、また愛媛県知事・中村時広さんの誕生日をお祝いするムードも漂い、笑顔があふれ、和やかな中、進行されるパーティ。会場には愛媛県内外から1000人を超える大勢の人々が詰めかけていた。その中には日頃、愛媛FCのことを応援、支援していただいている方々の顔も拝見できる。
 毎年、この「新春の集い」には、愛媛県を本拠地とするスポーツ団体(チーム)の所属選手やスタッフなども参加しており、中央のステージ上から各々、来場者へ向けて挨拶を行う時間が設けられている。

 例年、愛媛FCも社長や監督、選手や事務局スタッフが来場し、ステージ上からシーズン開幕に向けての意気込みなどを語ってくれるのだが、今年は社長の姿はなく、監督の木山さんと吉村圭司選手、河原和寿選手と西田剛選手の4名のみが来場されていた。
 
 パーティのスケジュールは、中盤に差しかかり、ステージ上では、各スポーツ団体が入れ替わりつつ、挨拶が続いていた。そして、最後に愛媛FCの4名が壇上に上った。マイクの前に立った木山監督は、「この度は、クラブの不祥事(粉飾決算)により、ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」と、深々と頭を下げ、来場者の方々に対して謝罪していた。
 
 愛媛FCは1月16日に、2012年度と2013年度の決算において、赤字を黒字にする不正な会計処理が行われていたことを発表している。それを受けての謝罪なのだが、明らかに何の罪もない今年から監督に就任したばかりの木山さんや選手たちが、公の場で謝る姿はとても気の毒で、見ているのが辛かった。同時に監督や選手たちにこんなことをさせてしまい、サポーターとして、とても申し訳なく思った。
 
 Jリーグクラブの中では、運営費が少ないながらも収支において黒字を出し続け、健全経営に努めてきた愛媛FCのことを、どこか誇らしげに感じていたのだが、今回の件が発覚し、とても残念でならない。その上で、地方におけるプロスポーツクラブの運営の難しさや厳しさを改めて痛感している。
 
 1クラブのサポーターといえども、現在は、たくさんの方々がさまざまな活動に参加し、人脈も広がりつつあると思う。クラブとのコミュニケーションを密にし、事前に起こり得る問題を想定した上で、事項の解決に向けた対応と協力ができていれば、今回のようなことも起きなかったのではないか……と悔やまれてならない。
 
 今後は、監督や選手たちを悩ませ、迷惑をかけるようなクラブの状況は絶対に改善しなければならない。早く試合に集中できる環境を整えてあげたい。J2リーグ開幕まで時間はないが、責任の所在を追及し、不満を口にするよりも、建設的にクラブとのコミュニケーションを図っていくことが今は重要だと思われる。
 
 新シーズンのスタートを目前に控え、サポーターとして愛するクラブを支えるために何ができるのか、自問自答する日々が続きそうである。
 
【お知らせ】

 「愛媛フットボール映画祭2015」開催のお知らせ
 
 来る2月11日(水・祝)、愛媛県立医療技術大学(愛媛県伊予郡砥部町高尾田543番地)階段講義室北棟1階にて、愛媛サポートクラブ、愛媛フットボール映画祭実行委員会が主催する「愛媛フットボール映画祭2015」が開催されることになりました。サッカーに関わる映画作品の上映を通し、たくさんの方に楽しんでいただくことで、交流を広げ、愛媛のサッカー界を盛り上げていきたいと思っております。
 
 上映作品は、
「アイ・コンタクト」
「ユルネバ〜キミはひとりじゃない〜」
「メッシ」
 の3作品です。
 
 サッカーの知識がなくても楽しめる作品となっておりますので、この機会に是非とも、ご来場いただき、ご鑑賞ください。
 
 なお、上記作品をご鑑賞頂くためには入場料が必要となります。入場チケットの購入方法(事前登録方法)、並びに上映タイムスケジュールなど映画祭の詳細につきましては、「愛媛フットボール映画祭2015」情報ホームページ>>こちらをご参照ください。
 
 また、3作品の上映終了後、午後3時45分(予定)からは、同会場に「愛媛FCサポーターミーティング」(入場無料)も開催されます。愛媛サポーター・ファンの皆様も、広くお声掛けいただき、お誘い合わせの上、ご来場、ご参加ください。心よりお待ちしております。


松本 晋司(まつもと しんじ)プロフィール>
 1967年5月14日、愛媛県松山市出身。
 愛媛FCサポーターズクラブ「Laranja Torcida(ラランジャ・トルシーダ)」代表。2000年2月6日発足の初代愛媛FCサポーター組織創設メンバーであり、愛媛FCサポーターズクラブ「ARANCINO(アランチーノ)」元代表。愛媛FC協賛スポンサー企業役員。南宇和高校サッカー部や愛媛FCユースチームの全国区での活躍から石橋智之総監督の志に共感し、愛媛FCが、四国リーグに参戦していた時期より応援・支援活動を始める。


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