昨年12月、愛媛FCの下部組織である愛媛FCユース、愛媛FCレディース両チームの2014シーズンが終了した。
 12月6日(土)、高円宮杯U−18サッカーリーグ2014プリンスリーグ四国の最終節(第18節)が、今年も瀬戸大橋記念公園球技場(香川県)にて行われた。
(写真:円陣を組み、最終戦に臨む愛媛FCユース)
 瀬戸大橋の橋脚のそばということで海に近く、強い潮風が吹き抜ける難しいコンディションの中、行われた最終戦。対戦相手は同じ愛媛の松山工業高校である。
 
 前半6分にFW洲之内辰行選手の先制ゴールで幸先良いスタートを切る愛媛FCユース。前半25分には、MF白石直人選手が追加点を決めるが、その後、得点チャンスを活かせず、前半戦はスコア2−0で終了。

 後半に入ると、相手チームも反撃に出てくるが、それをうまくかわし、素早いカウンター攻撃を展開。敵陣へと深く攻め込み、セットプレーなどから得点を狙う。
 
 後半15分、FW清川流石選手が見事なシュートを決め、追加点を奪取。後半35分には、再び白石選手。後半40分には、DF里岡航選手。更に試合終了間際には、MF石本翔也選手がゴールを決め、勝負あり! 最終スコア6−0で、愛媛FCユースがシーズン最終戦を白星で飾った。
 
 これにより、2014プリンスリーグ四国の成績は、11勝5敗2引き分けで勝ち点を35まで伸ばしたが、リーグ戦2位(準優勝)という悔しい結果に終わった。ちなみに優勝チームは、勝ち点43の徳島市立高校。愛媛FCユースにとっては、2連覇が懸かっていたシーズンだっただけに目標に届かず、誠に残念である。
(写真:試合前練習を行うユースの選手たち)

 主力選手の故障があり、新加入の1年生を実戦へ投入しなければならなくなるなど、シーズン序盤でのチーム完成度の低さが重要な試合での取りこぼしにつながり、後々の成績に響いてしまったのではないか……と個人的には感じている。

 それでも、総ゴール数はリーグトップ。得失点差も優勝チームを上回っている。決して他チームと比べ、実力が不足している訳ではない。昨年6月に行われた2014愛媛県サッカー選手権大会の準決勝では、粘り強いチーム力を発揮し、感動的な試合を私たちに見せてくれた(愛媛大学と延長PK戦の末、惜敗)。また、第38回日本クラブユースサッカー選手権(U−18)大会では強豪ひしめく中、決勝トーナメントへ進出するなど評価できる点も少なくはない。

 輝かしい成績を手に入れることは叶わなかったが、1年間、心に残る印象深い試合を随所で見せ、私たちを楽しませてくれたと思う。だから、チームを卒業していく3年生には是非とも胸を張ってほしい。
 
 想いを託された2年生や1年生は大変だと思うが、来シーズンこそはリーグ戦での優勝を成し遂げ、プレミアリーグ昇格の夢へと繋げてもらいたいものだ。
 
 
 12月14日(日)、第36回皇后杯全日本女子サッカー選手権大会の3回戦となる愛媛FCレディース対日テレ・ベレーザの一戦が、三木総合防災公園陸上競技場(兵庫県)にて行われた。
(写真:皇后杯3回戦の試合会場)
 
 気温5度の真冬を感じさせる気候の中で行われた戦いは、なでしこ上位チームとの実力差を思い知らされる試合となった。
 前半の立ち上がり、愛媛FCレディースはサイドスペースなどを活用し、敵陣深く攻め込む。あわや先制ゴールかと期待できるようなシーンも見られたが、前半14分に守備の乱れから逆に先取点を奪われてしまった。

 すると試合の流れは、徐々にベレーザ側へと傾いていく。
 前半28分には、自陣ペナルティエリアにてファウルを取られ、相手のPKから追加点を許す。それでも愛媛FCレディースは、GK上野友紀子選手を中心に必死のディフェンスを展開し、ゴールを守り続ける。前半戦はスコア0−2で終了。
 
 後半に入り、エンジンが温まったベレーザが、愛媛FCレディースへと襲いかかる。
 後半8分と9分、立て続けに追加点を決められるとリスクを負って前がかりの布陣で反撃を試みる愛媛。しかし、その背後を上手く相手に突かれ、連続失点してしまう。

 その後も悪循環から抜け切れず、後半戦は一方的な展開となってしまった。最終スコア0−9で愛媛FCレディースが完敗を喫した。
 
 今回は、なでしこリーグ上位チームの壁の高さを改めて思い知る結果となったが、自分たちの実力が今、どの位置にあり、今後は何が必要なのかを大会を通じて考えられる良い機会になったのではないかと感じる。
(写真:レディース選手たちを見守る横断幕)
 
 昨季を振り返ると、チャレンジリーグ2014では、8勝11敗3引き分けで16チーム中、9位という成績。前年の2013シーズンは10勝をマークしていただけに、ひと桁の勝利数は少し寂しく思う。ただ、2014シーズン、勝利には結び付かなかったが、上位チームと1点を争う接戦を演じるなど素晴らしい試合を見ることもできた。

「たられば」だが、その試合で、もうひと踏ん張りできていれば、拾える星の数は増えていくようにも感じられる。そう考えると、体力と精神面の成長が図れれば、2015シーズンには上位進出も見えてくるかもしれない。
 
 また、同時に国体女子サッカー愛媛県代表チームという顔も併せ持つ彼女たち。昨年の長崎国体では決勝戦まで駒を進め、宮城県代表には敗れたものの、堂々の準優勝という好成績を収めてくれた。前年の東京国体では、3位だっただけに順番からすれば、今年こそは頂点に立ってくれるはずである。
 
 2015シーズンは監督も代わり、体制が一新されるが、さらなる高みを目指し、皆で力を合わせて総合力で勝ち昇ってほしいと思う。


松本 晋司(まつもと しんじ)プロフィール>
 1967年5月14日、愛媛県松山市出身。
 愛媛FCサポーターズクラブ「Laranja Torcida(ラランジャ・トルシーダ)」代表。2000年2月6日発足の初代愛媛FCサポーター組織創設メンバーであり、愛媛FCサポーターズクラブ「ARANCINO(アランチーノ)」元代表。愛媛FC協賛スポンサー企業役員。南宇和高校サッカー部や愛媛FCユースチームの全国区での活躍から石橋智之総監督の志に共感し、愛媛FCが、四国リーグに参戦していた時期より応援・支援活動を始める。


◎バックナンバーはこちらから