22日、サッカーU-22日本代表は北京五輪最終予選初戦でU-22ベトナム代表を1−0で辛くも破り、白星スタートを切った。前半44分、MF柏木の左CKにDF青山直が頭で合わせて、決勝点を叩き出した。

◇8月22日、国立
U-22日本代表 1−0 U-22ベトナム代表
【得点】
[日] 青山直晃(44分)
 辛くもベトナムを破り、北京への一歩を踏み出した。

 4チームでひとつの切符を争う北京五輪最終予選の初戦。日本は2次予選を戦ってきた3−5−2で臨んだ。U-20世代からはただ一人MF柏木がトップ下の位置で先発。故障で欠場したGK西川とDF伊野波のポジションにはGK山本とDF細貝が起用された。

 ホーム、そして格下のベトナムとの戦いということで、日本は主導権を握る。ベトナムを自陣エリア内に押し込み、人数をかけて幾度となくゴール前にボールを運ぶ。だが、肝心のゴールが奪えない。

 前半15分には、細貝のフィードをFW李が胸で落とし、最後はFW平山が右足でシュートを放つもGKの正面を突く。18分には細貝が最終ラインでパスミスを犯して、カウンターを食らう場面も見られた。
 
 決して流れはよくなかったが、44分、ついにゴールが生まれる。柏木の右CK。一度は相手にクリアされるも、もう一度柏木が左足で鋭いボールを供給。二アサイドに勢いよく走りこんだDF青山が豪快にヘッドを突き刺して、均衡を破った。沈滞ムードを打ち破る先制ゴールだった。

 ただ、このゴールでも勢いに乗れないのが今の日本だ。後半、前半と同じようにベトナムを自陣に封じ込めたが、最後のシュートが枠に飛ばない。

 特にエースの平山がチャンスをいくつも逃してしまう。後半24分、高い位置でボールを奪った柏木のスルーパスをフリーで受けるが、GKとの1対1を外す。同35分には、本田圭の左サイドからのグラウンダーのクロスに左足で合わせたが、またもやGKにとめられた。

 止めを刺す2点目を奪えなければ、当然、ベトナムは息を吹き返す。同43分のFK、距離はあったがMFフォンが右隅へ思い切って狙う。逆をつかれたGK山本が体を投げ出して防いだが、同点ゴールにつながっていてもおかしくはない場面だった。

 結局、ベトナムの終盤の猛攻をしのぎきる形で1−0のまま終了。初戦で勝ち点3は手に入れたが、今後に大きな不安を残した。

 試合後、会見場に現れた反町監督も浮かない表情。「勝ち点3は喜びたい。ただ、いつも言っていることだが、もう少しラストパス、フィニッシュの精度をあげないと」。敵将のリードル監督も首をかしげて「日本はもっと点をとってもよかった。なぜ2点目を奪われなかったか不思議だ」と語った。

 次の戦いは9月8日。グループ最大の強敵と目されるサウジアラビアが待つアウェイへと乗り込まなければならない。さらに、そのわずか4日後にホームでカタールとの一戦が控える。決め手を欠く反町ジャパンは果たして北京への切符をつかむことができるのか。

【日本代表出場選手】

GK
山本海人
DF
細貝萌
青山直晃
水本裕貴
MF
本田拓也
梶山陽平
本田圭佑
水野晃樹
柏木陽介
⇒家長昭博(76分)
FW
平山相太
李忠成
⇒岡崎慎司(78分)