東京体育館で行われた卓球全日本選手権は18日に最終日を迎え、男子シングルス決勝で水谷隼(明治大学)が松平健太(青森山田高校)を4−1で下し、男子ダブルスとあわせ2つのタイトルを手に入れた。ダブルス、シングルスともに3年連続優勝の快挙を達成した。女子シングルスは平野早矢香(ミキハウス)が準決勝で福原愛(ANA)を下した王輝(日立化成)を破り、自身5度目の全日本優勝を果たした。
(写真:2冠達成の水谷選手)
 水谷が決勝で対戦したのは、準決勝で強豪吉田海偉(グランプリ大阪)を下した松平。成長著しい17歳を相手に貫禄の試合運びで優勝を手にした。勢いのある相手に、ゲーム序盤ではリードを許す場面も多かったが、水谷はサービスで流れを掴む。多彩なサーブから相手のレシーブを崩し、サービスから数えた3球目でしっかりとポイントを奪い要所をしめていく。1ゲームを落としたものの、第5ゲームでマッチポイントを迎える。後のなくなった松平が必死の粘りを見せ、デュースを繰り返したが6回目のマッチポイントで水谷がポイントを奪い、シングルス3連覇を達成した。3連覇は88−90年の斎藤清(現・埼工大職員)以来18年ぶりの記録となった。

 水谷は「この大会に向けて一生懸命練習してきたので、シングルス、ダブルスで優勝できて嬉しい。大会を連覇してきたのでプレッシャーもあった。全日本で優勝することの難しさは前回、前々回でわかっていた。来年は4連覇を目指してがんばりたい」と優勝について語った。

 女子シングルス決勝はお互い全く譲らない試合展開となったが、長いラリーの中で確実にポイントを奪った平野が3年連続5度目の優勝を果たした。平野も前日のダブルスに続いて2冠を達成した。

 平野は「決勝前にチームのみんなや監督がサポートしてくれた。王輝選手は世界で活躍した人なので向かっていくだけだった。我慢比べで勝つしかないと思った」と決勝戦の戦いぶりを振り返った。

 また注目を集めた福原は、準々決勝でジュニア優勝者の石川佳純(ミキハウスJSC)を下したものの、準決勝で王輝にストレート負け。今年の全日本はタイトルなしで大会を終えた。「2年連続でベスト4に入っている石川さんとの試合は挑戦者の気持ちで向かっていった。自分がやってきたことは間違いないと感じたので、このまま世界選手権までがんばっていきたい」と今年5月に横浜で行われる世界選手権へ気持ちを新たにしていた。