愛媛FCは28日、名古屋グランパスなどで活躍し、08−09シーズンはギリシャ2部リーグでプレーしていたFW福田健二選手(新居浜市出身)の加入を発表した。契約期間は11月1日から2011年1月31日まで。今シーズンは選手登録のウインドーが締め切られているため、公式戦に出場できるのは来季からとなる。日本も含め5カ国で公式戦計106ゴールをあげたストライカーの地元凱旋。成績不振と観客動員低迷からの脱却を目指す2010年に向けた最高の補強といえそうだ。
 福田は新居浜市出身の32歳。高校時代は習志野高でインターハイ全国制覇の経験を持つ。プロ入り後、名古屋で98年に18ゴール、99年に13ゴール(カップ戦、天皇杯含む)を決め、天皇杯制覇に貢献。U-22日本代表にも選出され、シドニー五輪予選にも出場している。01年途中からはFC東京、03年はベガルタ仙台でプレーした後、小さい頃から夢見ていた海外移籍を決意。パラグアイ、メキシコと渡り、05年にはメキシコの2つのクラブで計22得点をあげている。さらにはヨーロッパへと活躍の場を移し、スペイン、ギリシャと2カ国のピッチに立った。

 昨季、ギリシャ2部のイオニコスに在籍していた福田は、左ひざの靱帯損傷で戦線を離脱した時期もあったものの、復帰戦でいきなりゴールを決めるなど、24試合で9得点。09−10シーズンも引き続きプレーする予定だった。ところが、開幕前にクラブ側に契約違反があったことが判明。チームを離れ、新たな移籍先を探していた。UAEやフランスのクラブとも交渉を行ったが合意には至らず、今回、故郷のクラブからのオファーを受け入れた。

「愛媛は自分が産まれた場所なので、いつの日か愛媛でサッカーがしたいと思っていました。2006年に愛媛FCがJリーグ昇格した時も海外からでしたが、いつも気にして情報を集めていました。今回の話をいただいた時は本当にうれしかったです」
 移籍先が決まり、福田は素直に喜びを語っている。愛媛は現在18クラブ中15位。総得点数52はJ2で下から6番目だ。FW内村圭宏が18ゴールとひとり気を吐いているが、彼に続く点獲り屋がいないのが現状だ。

「ゴールという結果にこだわる」と常々語っているストライカーの加入は、バルバリッチ監督に交代し、より攻撃的サッカーを志向する愛媛のスタイルにも合致する。「自分はFWなのでチームの勝ちにつながるゴールをひとつでも多く決めたい」。日本を離れて5年半、ゴールという搭乗券だけを頼りに南米、ヨーロッパを経由し、ついに地球を一周した。オレンジのユニホームで輝きを放つ姿を1日も早く見たいところだ。


※当サイトで紹介した福田選手の特集記事はこちら
・2008年10月掲載「FORZA SHIKOKU」
>>第1回「抑え切れなかった海外への想い」
>>第2回「南米での充実したシーズン」
>>第3回「欧州で見た新たな夢」
>>最終回「いざ、南アW杯へ」

・2009年6月掲載
>>福田健二「イオニコスでの1年を振り返って」

・2009年8月掲載「フットボールの時間
>>岡田ジャパンは福田健二をテストせよ!


 なお、携帯サイト「二宮清純.com」では福田健二選手のコラム【さすらいのgoleador】をギリシアリーグ移籍後の2008年9月から更新してきました。今後も故郷に帰った福田選手の声を引き続きお届けする予定です。どうぞお楽しみに。