当HP編集長の二宮清純がインタビュアーを務めるBS朝日の番組『勝負の瞬間(とき)』が12月27日(日)、21:00より放送されます。この番組では毎回、各スポーツから一流たちをお招きし、トップを極めたテクニックと、その思考法に迫ります。これまでのスポーツ番組とは一味違ったインタビュードキュメントです。今回は10月に現役を引退した元テニスプレーヤーの杉山愛さんをお招きします。
(写真:「二宮さんとトークのラリーを楽しみたい」と語る杉山さんに照れ笑い?)
 当サイトでは番組に先駆けて、杉山さんとのインタビューの一部を紹介します。

二宮: 17年間の現役生活お疲れさまでした。プロになった時、ここまで長くできると思いましたか?
杉山: ここまで選手生活を送れるとは思わなかったですね。自分ができる限りのことはやり尽くしたので悔いはないです。引退のタイミングは自分でもパーフェクトだったと思います。これ以前でも、これ以後でもない。引退の時期については完璧だったかなと自負しています。

二宮: 最後はともに戦ってきた選手たちや、お客さんの拍手に送られて、素晴らしい引退セレモニーになりました。
杉山: 選手からは温かいメッセージをもらって、多くの日本のファンに見守られながら引退できました。私もいろいろな選手の引退を見てきましたけど、こんなに素晴らしいセレモニーはなかなかない。私は幸せ者だなと思います。

二宮: 杉山さんはテニスを通じて世界中の強豪たちと戦って結果を残し、後輩たちにも勇気を与えた。そして笑顔の引退。最高のテニス人生だったのではないですか?
杉山: そうですね。これ以上はないですね。

二宮: 1996年に伊達公子さんが26歳の若さで引退して、意図せずして早々と杉山さんが日本女子プロテニスの第一人者になりましたよね。それから10年以上もトップを走り続けてこられた。この継続力が素晴らしい。
杉山: 当時は全く望んでいなかったことですけどね。伊達さんがグイグイ引っ張ってくれたおかげで、たくさん日本の女子の選手が出てきて、当時はトップ100の中に10人くらい日本人がいたこともありました。これだけ盛り上げてもらったテニスの火を消してはいけないという思いがすごく強かったです。最初の1年はプレッシャーもあって、やたら苦しみもがいて、気持ちだけが空回りしていました。

二宮: 世間的には“ポスト伊達公子”という見方でしたからね。
杉山: それは当然、仕方のないことだったと思います。次はテニス界が誰が引っ張っていくのか、という時に他の方も同時期に辞められて、もう私くらいしか残っていなかったですから。

二宮: 伊達さんが昨年カムバックされたのは、どこかに不完全燃焼の部分があったからでしょう。杉山さんのカムバックの可能性は?
杉山: ないですね。もう燃え尽きてしまったので。頼まれても無理ですね。もうツアー生活は、おなかいっぱいです(笑)。
>>この続きは番組をお楽しみ下さい。

 番組ではこの後、杉山さんの現役生活をいろいろと振り返っていきます。世界をまたにかけて飛びまわるツアー生活の裏話から印象に残る試合など、今だからできる話がたくさん飛びだします。「忘れる力が大事」。その言葉の中からは、4大大会のシングルスに62回も連続出場できた秘訣がうかがえるはずです。
(写真:憧れのウィンブルドンでの思い出も語る)

 そして番組の後半では、現役後半をコーチとしてサポートした母の存在について語っていただきます。スランプから「テニスを辞めたい」ともらした娘に、母はどんな言葉をかけたのか。そして、どのように立ち直らせたのか。そこには家庭が崩壊してしまった現代において、理想の親子関係を学びとることができるかもしれません。

 さらには4大大会で4度(混合含む)ダブルスを制した理由も迫ります。パートナーとはどのようなコミュニケーションをとってきたのか。どうすれば良好なパートナーシップを継続することができるのか。「ところで、人生のパートナー探しは?」。突然の“フェイント”に、杉山さんがどんな答えを返すのかも注目です。第一線を走り続けてきたプレッシャーから解放され、終始、笑顔でトークのラリーを楽しんだ杉山さん。彼女の魅力を再発見できる番組になっています。

 この『勝負の瞬間』は月1回ペースで2010年3月まで全12回シリーズでお届けしています。新年も女子プロゴルフ界の若き実力者やWBCでも活躍した日本を代表する投手など各スポーツの一流たちを続々とゲストにお招きします。お正月3が日には新春特番として、これまでの番組分から反響の大きかった回を再放送する予定です。どうぞお楽しみに!

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