グラクソ・スミスクライン株式会社が運営する喘息情報ウェブサイト「Zensoku.jp」にて、当HP編集長・二宮清純がナビゲーターを務める対談シリーズ「二宮清純のゼンソク人間学」が好評配信中です。幼い頃から喘息に悩まされてきた二宮が、病気を克服して活躍しているスポーツ選手、元選手と対談。喘息をいかに乗り越えるかというテーマで話を進める中で、この病気への理解を深め、患者さんを勇気づけることを目指しています。同シリーズでは現在、柔道家の谷本歩実選手、獨協医科大学呼吸器・アレルギー内科教授の福田健先生との対談を公開中です!

(写真:「相手の腕をとってしっかり固めることが大事」と背負い投げの極意も語ってくれた)
 当サイトでは対談の一部を特別にご紹介します。
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 定期的に肺機能の検査を

福田: 喘息をきちんとコントロールするためには、定期的に肺機能の検査をすることも大切です。谷本選手は喘息コントロールテストの結果からみても、自分の状態を客観的に評価できていると思います。しかし、患者さんによっては、本当はもっと治療をしなくてはいけない状態なのに、我慢していて悪化させてしまうケースもよくあります。自覚症状だけではなく、数値として測定することで、自己管理もしやすくなります。

二宮: 肺機能検査というのはどういうものですか?
福田: 肺機能の検査とは、肺の容積や空気を出し入れする換気機能を調べるものです。肺活量は、肺いっぱいに空気を吸い込んで、それを全て吐き出したときの空気量を測ります。1秒量とは、肺の中に思い切り空気を吸い込んで、最初の1秒間でどのくらいの量を吐ききれるかを測定します。正常な人ならば、最初の1秒間で、肺から70〜80パーセント以上の空気を吐くことができます。ところが、喘息の症状が出ている時は30パーセントくらいしか吐き出すことができない場合もあります。たとえば、こんな経験はありませんか。バースデーケーキのろうそくを吹き消す時に、1回で消せなかったことは?

谷本: あります、あります。よく「1度に吹き消しなよ」と言われるんですけど、「1回じゃ消せないのよ、私は」っていつも思っていました。なるほど、これも喘息の影響なんですね
二宮: 私も子供の頃は、ろうそくを吹き消すのが辛かったです。息が切れてしんどいので、途中で息継ぎしていましたから。
福田: 病院で肺機能検査をする以外に、ピークフロー値といって、ピークフローメーターという機械を使って患者さん自身で測定できるものもあります。ピークフロー値とは、息を勢いよく吐き出したときに息が流れる速度のことです。自宅で簡単に測れますので、毎日、朝晩測って、ご自身の喘息の状態を把握する指標とするとよいでしょう。

二宮: 谷本さんの場合は海外遠征も多い。環境の変化で喘息が悪化することは?
谷本: 海外に行くとものすごく苦しくなりますね。特にヨーロッパには試合や合宿でよく行くのですがつらいです。

福田:  冬のヨーロッパは乾燥していますし、道場は室内とはいえ寒いですから、気道を刺激する要因になりますね。
谷本: 私たちは朝稽古をします。裸足で畳の上に乗りますし、格好もTシャツの上に胴着だけなので、朝は調子が悪くなりやすい。咳が出始めると止まらなくなるので、トレーニングのはじめはゆっくり体を動かしたり、マスクをして冷たい空気を吸い込まないようにしながらコントロールしています。
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「Zensoku.jp」では谷本選手からの動画メッセージも合わせて配信中です。6月下旬からは球界を代表するクローザー・藤川球児投手との対談も公開します。どうぞお楽しみに!
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