今から約1年前、劇作家であり演出家であり俳優の野田秀樹さんから、編集長に取材の依頼が入りました。確かその時、スタッフ皆で大騒ぎし、盛り上がったこと思い出します。
「なんで野田秀樹さんが編集長に取材なんか!?」
「よく分からないけどすごいじゃないですか編集長!」
「野田秀樹さんに会ってみたい!!」などなど・・・・・

 取材内容は、2012年9月にリニューアルオープンする東京芸術劇場のオープニングを飾る新作舞台のため、野田秀樹さんが初めてスポーツを題材にした脚本を手掛けるので、これまで様々なスポーツやスポーツ選手を取材してきた編集長に、具体的なエピソードを交えた話を伺いたいとのことでした。もちろん取材をお受けし、編集長が知る限りのエピソードをお話ししました。

 取材を受けてから1年が過ぎた先月、野田秀樹さんの新作舞台『エッグ(egg)』の招待状が届きました。同封されているチラシを見ると、豪華俳優陣が名を連ね、妻夫木聡、深津絵里、仲村トオルの3人が主演、秋山菜津子、大倉孝二、藤井隆、橋爪功などが出演します。もちろん、野田秀樹さんも出演しています。
さらに、『エッグ』は「スポーツ」と「音楽」がメーンテーマの「スポーツ音楽劇」と書いてあります。

 編集長が受けた取材のどの辺りが使われているのか気になる一方で、芸術的センスに乏しい私は、演題の『エッグ』から、スポーツと音楽のストーリーを連想するのは非常に難しく、スポーツ選手の卵と歌手の卵の恋愛ストーリーなのかしら??と単純な発想しか思い浮かばないまま、一昨日、編集長と観劇に行って参りました。

 招待席に座り、いただいた公式パンフレットのスタッフ一覧を見ていると、んっ!?
「編集長、編集長、大変!!クレジットに名前が出てますよ!」
「えっ!?どこ?」
「ほらここです!取材協力 二宮清純て書いてありますよ!」
「ほんとだね」
クールな顔を装いながら口元を少し緩め“フフッ”と漏らした編集長の嬉しそう横顔を見逃しませんでした。

 ストーリーはというと、当然ですが、私があれこれ思い巡らせていたものはかすりもせず、大東亜戦争期の話で、架空のスポーツや音楽や恋などの要素の中に、喜劇と悲劇が織り交ぜられたとても複雑なストーリーで、驚くほどあっという間の2時間でした。
 そして、舞台セットの中心となる“ロッカー”は編集長の話から採用したものだと思われます。

 肝心な演題の『エッグ』はどこからきているのか?
10月末まで公演していますので、劇場でお確かめ下さい!

(スタッフH)


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