メジャーリーグのプレーオフ・リーグチャンピオンシップは23日、ア・リーグで3勝2敗と優勝へ王手をかけていたテキサス・レンジャーズがニューヨーク・ヤンキースを6−1で下し、球団史上初のリーグ制覇を達成した。レンジャーズは前身のワシントン・セネタースより数えて今季が創設50年目。レギュラーシーズンの成績は90勝72敗とプレーオフ進出チームで最低だったが、ディビジョンシリーズでタンパベイ・レイズを最終第5戦で振り切り、リーグチャンピオンシップでも連覇を狙ったヤンキースをねじ伏せた。レンジャーズは28日からスタートするワールドシリーズに進出する。
 広島ファンはあらためて逃した魚は大きかったと感じたのではないか。
 ヤンキースのワールドシリーズ連覇の夢を打ち砕いたのは、レンジャーズ先発のコルビー・ルイスだった。昨季まで広島に在籍した右腕は初回から多彩な変化球をコーナーに沈め、強打のヤンキース打線に的を絞らせない。緩急をつけているため、140キロ台の直球でも相手バッターを詰まらせた。5回に暴投で1点を失ったものの、8回まで投げて打たれたヒットはわずか3本。今シリーズの第2戦に続く好投で見事、勝ち投手となった。

 打線は1−1の同点で迎えた5回、ウラジミール・ゲレロの2点タイムリーで勝ち越し。さらにネルソン・クルーズの2ランも飛び出して一気にリードを広げた。7回には満塁から犠飛で1点を追加し、ダメを押した。優勝が決まると、喜びを抑えきれない選手たちはグラウンド上でシャンパンファイトを実施。その後は場内を1周してファンの歓声に応えた。待ちに待った初優勝だけにメジャーリーグでは新鮮な祝勝スタイルだった。なお、チャンピオンシップMVPにはケガを押しての出場ながら打率.350、4本塁打と中軸の役割を果たしたジョシュ・ハミルトンが選ばれている。

◇ア・リーグ
 4番・ゲレロ、3打点(レンジャーズ4勝2敗、レンジャーズ・ボールパーク)
ニューヨーク・ヤンキース  1 = 000010000
テキサス・レンジャーズ   6 = 00004010×
勝利投手 ルイス(2勝0敗)
敗戦投手 ヒューズ(0勝2敗)
本塁打  (レ)クルーズ2号2ラン