3月30日(水)
◇2回戦
 鹿実、15安打の猛攻で快勝
城南(徳島)    2 = 000001100
鹿児島実     7 = 02003200×
 2回裏、鹿児島実は2死無走者から怒涛の4連打で2点を挙げ、先行する。だが、その後は毎回のようにランナーを出すも、追加点を奪うことができなかった。一方、城南打線も鹿児島実エースの野田を攻略することができず、得点することができない。ゼロ行進が続き、試合はこう着状態となった。
 再び試合が動いたのは5回裏。鹿児島実は2死二塁から5番・揚村恭平(3年)、6番・黒木兼太朗(3年)に連続タイムリーが出て2点を挙げると、さらに暴投で1点を追加し、その差を5点に広げた。お

 6回表、城南は無安打ながら2四球と盗塁で1死一、三塁と得点のチャンスをつかんだ。5番・奥浦康平(3年)がスクイズを敢行するも、これを鹿児島実バッテリーがうまく外した。ところが、このボールをキャッチャーが前にこぼし、その間に三塁ランナーが返る。一塁ランナーも二塁へと進み、記録的にはダブルスチールで城南に1点が入った。
 その裏、鹿児島実は1死から1番・豊住が四球で出塁すると、2番・杉山は内野安打で続いた。3番・野田は内角高めの直球をライトへ引っ張ると、外野からの中継が乱れる間に、2塁ランナー豊住が一気にホームへ返った。さらに2死後、5番・揚村が前の回に続いてタイムリーを放ち、鹿児島実は7点目を挙げた。

 点差が開いたものの、城南は決してあきらめなかった。7回表、1死からこの試合初めて連打が出て、得点のチャンスをつくった。8番・柳川慶太(3年)は三遊間を抜けるレフト前安打を放つと、9番・織原誉(2年)は内角高めの変化球をライトへ。続く1番・多田康貴(3年)が内野安打で出塁し、1死満塁とした。ここで相手バッテリーにミスが出て、暴投で城南に1点が追加された。

 試合はそのまま最終回へと突入した。9回表、城南は2死から3番・松原がピッチャーのグラブを弾く強襲打で出塁した。打席にはエースで4番、ここまでチームを支えてきた竹内が入った。竹内はエース同士の対戦を楽しんでいるかのように、打席で終始笑顔を見せた。一方、マウンド上の野田はポーカーフェイスを貫く。野田は竹内を変化球で2ストライクに追い込むと、最後は外角低めのチェンジアップを振らせて空振り三振に切ってとった。野田は6安打を打たれながら2失点に抑え、初戦に続いて完投勝ちを収めた。打っては打線が15安打の猛攻を見せた鹿児島実。優勝した1996年以来となるベスト8進出を決めた。


 履正社、13安打の猛攻で初の8強
九州学院(熊本)   2 = 000002000
履正社(大阪)    8 = 00122003×

 九州学院の2年生エース大塚尚仁は初回、3者連続三振と最高のスタートを切ると、2回も無安打に抑える完璧なピッチングを披露した。しかし、その大塚を中盤以降、履正社打線が攻め立てた。3回裏、先頭の8番・原田涼平(2年)がチーム初安打を放つと、9番・飯塚が送りバントを決めて、1死二塁とした。1番・海部大斗(3年)のタイムリー二塁打で履正社に待望の先取点が入った。さらにヒットと死球で1死満塁とし、中軸を迎える。しかし、ここは九州学院エースの大塚が踏ん張る。4番・桝井翔太(3年)をファーストファウルフライに、5番・大西晃平(3年)を一ゴロに打ち取り、最少失点に抑えた。
 4回裏、履正社は再び得点のチャンスをつくる。先頭の6番・坂本誠志郎(3年)がヒットで出塁すると、1死後、8番・原田もヒットで続き、1死一、三塁とした。ここで9番・飯塚がスクイズを決め、1点を追加した。さらに1番・海部が前の回に続いてタイムリーを放ち、履正社がその差を3点に広げた。履正社は5回裏にも2点を追加し、試合の主導権を握る。

 しかし、6回裏、履正社の守備にミスが出て、無安打ながら1死一、二塁と九州学院にチャンスが訪れた。ここで6番・坂井宏志朗(3年)がキャプテンとしての意地を見せた。外角高めの直球をうまくレフトに弾き返すと、二塁ランナーが一気に三塁をまわった。クロスプレーとなるも、キャッチャーがグラブからボールを落とし、九州学院にようやく1点が入った。さらに7番・田村拓也(3年)が四球で出塁し、1死満塁とした。続く8番・大塚の当たりはレフトへ。タイムリーになるかと思われたが、これを左翼手が地面ギリギリでキャッチし2死に。さらに既に三塁に到達していた二塁ランナーが帰塁できずに、アウトとなった。しかし、その前に三塁ランナーがタッチアップで生還していたため、得点が認められ、九州学院に2点目が入った。
 8回裏、履正社は4番・桝井のタイムリーなどで3点を追加して逆にその差を6点に広げると、最終回はエース飯塚がきっちりと3人で終わらせて、完投勝ち。履正社はセンバツでは初のベスト8進出を決めた。準々決勝では同じ近畿勢の智弁和歌山と対戦する。


 20安打13得点で大勝
大垣日大(岐阜)       5 = 100004000
東海大相模(神奈川)   13 = 42021022×

 先制したのは大垣日大だった。初回、初戦で初球、先頭打者ホームランを放った畑和来(3年)がヒットで出塁すると、すかさず盗塁を決め、無死二塁とした。次打者は内野ゴロに倒れるも、3番・星野真一郎(3年)はストレートの四球を選んで1死一、二塁とした。2死後、5番・時本亮(3年)が初球、真ん中に入ってきた変化球をライトへ弾き返すと、二塁ランナー畑が一気にホームへ返り、大垣日大に先取点が入った。

 その裏、今度は東海大相模が反撃する。1死から2番・臼田哲也(3年)がヒットで出塁すると、3番・田中俊太(3年)は死球を受けて1死一、二塁とした。4番・佐藤大貴(3年)が同点タイムリーを放って試合を振り出しに戻した。さらに2死一、二塁から6番・森下翔平(2年)が走者一掃のタイムリー三塁打を放つと、続く8番・磯網遊斗(2年)にもタイムリーが出て、この回一挙4点を挙げて逆転に成功した。さらに2回裏にも2点を追加した東海大相模は試合の主導権を握った。
 4回裏、東海大相模は3連打で無死満塁とすると、4番・佐藤のタイムリーで2点を追加した。ここで大垣日大はエース葛西郁也(3年)をライトに下げ、柳川優太(2年)にスイッチした。柳川は後続を断ち、追加点を許さなかった。しかし、その柳川も5回裏、1点を失い、その差を8点に広げられた。

 6回表、大垣日大の打線が息を吹き返した。無死から5番・時本、6番・葛西、7番・野々部怜(3年)が怒涛の3連打で1点を返した。ここで東海大相模は初戦で好投した庄司卓也(2年)にスイッチした。だが、その庄司が制球が定まらず、苦しいピッチングとなる。8番・上木健晴(2年)を四球で出すと、暴投で1点を献上してしまう。なおも無死二、三塁とピンチが続いたが、庄司は2者連続で三振を奪った。ようやく本来のピッチングを取り戻したかに思われた矢先、東海大相模はエース近藤正崇(3年)にスイッチした。今大会初登板となる近藤は、思うようなピッチングができない。暴投で1点を失うと、2番・柳川にもタイムリーを浴び、その差を4点とされた。

 しかし、東海大相模は7、8回にも2点ずつを加え、逆にその差を8点と広げた。投げてはエース近藤が7回以降はランナーを出しても、粘りのピッチングで要所を締め、大垣日大に追加点を許さなかった。今大会最多の20安打を放った東海大相模が大勝し、2000年以来のベスト8進出を決めた。準々決勝では鹿児島実と対戦する。