13日、日本サッカー協会(JFA)はJFAハウスで会見を開き、6月上旬のキリン杯にモンテネグロ、コロンビアの両代表を招待することを発表した。同大会は7月のアジア杯に向けた強化試合にあたり、日本を含めた3チームが総当りで対戦する。日本は6月1日に静岡スタジアム・エコパでモンテネグロ代表と、5日に埼玉スタジアムでコロンビア代表と対戦する。
(写真:左から田嶋幸三JFA専務理事、三宅占二キリンビール株式会社国内酒類カンパニー社長、イビチャ・オシム日本代表監督)
 3連覇を狙うアジアカップ。その直前のテストマッチの相手がついに決定した。
 モンテネグロは、06年にセルビア・モンテネグロから独立したばかりの新興国だが侮れない。現在、UEFA(欧州サッカー連盟)に加盟申請中で2008年の欧州選手権予選に参加することはできなかったが、初の国際試合となったハンガリー戦(3月24日、ホーム)では2−1と白星を挙げている。

 もう一方のコロンビアはW杯出場4度を誇る南米の強国だ。FIFAランクは日本の42位を上回る31位。DFイバン・コルドバ(インテル)、DFルイス・ペレア(アトレチコ・マドリード)ら欧州の舞台で活躍する選手が揃う。日本は、ジーコ監督時代に03年6月のFIFAコンフェデレーションズカップで対戦し、0−1で敗れている。

 2国の印象を訊かれたオシム監督は「この場では、相手チームのどこが優れているかについて細かく話すつもりはない」と具体的なコメントは避けたものの、「(対戦国の)情報は持っている。既に両国のテストマッチのDVDを取り寄せていて、昨日はコロンビア対スイス、モンテネグロ対ハンガリーを見た。試合を見る限り、両軍ともに非常にいいチームだ」と高く評価した。

(写真:記者の質問に答えるオシム監督) 対戦相手は決定したが、問題はその後だ。2007年の初陣となったペルー戦(3月24日)では、対戦相手のペルーがFWファルファン(PSV)ら欧州組ら主力選手数名を欠き、わずか15名で来日した。当初はフルメンバーでの来日が予定されていただけに、マッチメイクが問題視された。会見で田嶋幸三JFA専務理事は「日本代表のマッチメイク担当者が相手チームとしっかり話し合っている。最高のチームが来日すると期待している」と今回のキリン杯のマッチメイクに自信を見せていた。

 キリン杯の出来はアジア杯の行方を大きく左右する。オシム監督は「キリン杯の準備のために努力されている方がいる。キリン杯はアジア杯の単なるテストだとは申し上げられない」と話す一方で、「もちろん、このような大会がアジア杯の前に行われるのは我々にとって大きな助けになる」と語った。過去を振り返れば、アジア杯2連覇を達成したジーコ監督時代の日本は直前のキリン杯2試合で連勝して、大会に弾みをつけた。オシムジャパンもキリン杯で勢いをつけて、アジア杯3連覇につなげる。

<キリン杯 大会日程>
◇6月1日(金) 
日本 × モンテネグロ(静岡スタジアム・エコパ、19:10キックオフ)
◇6月3日(日) 
モンテネグロ × コロンビア(松本・総合球技場アルウィン、13:15キックオフ)
◇6月5日(火) 
日本 × コロンビア(埼玉スタジアム2002、19:20キックオフ)