151105aliven2「リオの風」は、株式会社アライヴンとのタイアップコーナーです。来年のリオデジャネイロ五輪、パラリンピックや国際大会を目指すアスリートを毎回招き、アライヴンの大井康之代表との対談を行っています。各競技の魅力や、アライヴンが取り扱うインヴェル製品を使ってみての感想、大舞台にかける思いまで、たっぷりと伺います。

 今回は、来年のリオデジャネイロ五輪代表に内定した川中香緒里選手の登場です。

 

 平常心を保つことが大事

 

大井: リオ五輪内定おめでとうございます。アーチェリーは70メートルもの距離がある的を射抜くわけですよね。どのくらいの確率で当たるんでしょうか?

川中: 直径20cmくらいの中にほぼ当てることができます。

 

大井: それだけ小さな的を射るには、相当な集中力が必要でしょう。

川中: やはり練習や試合後は、ドッと疲れますね。普段は結構、力を抜いているんです。熱中すると、すごく気持ちが入るタイプなので、自然と集中してしまいますね。

 

大井: たとえば野球のバッターで、ボールが大きく見えるという話を聞いたことがあります。いわゆる“ゾーン”と呼ばれるものを経験したことは?

川中: ありますね。普段、的の中心を黄色で判別しているんですが、その時は黄色の部分が大きく見えるんです。

 

151105aliven5大井: 的の真ん中に当たった時には、思わず嬉しくてガッツポーズはしないんですか。

川中: 自分はあまりやらないようにしています。次も入れたいと思ってしまいそうになるので、それを抑えないといけないんです。

 

大井: 平常心が大事だというわけですね。それは自分自身が常に冷静でいるためなのか、相手に動揺した姿を見せないためでしょうか。

川中: 両方ですね。常にフラットな状態を保つことが、アーチェリーには必要だと思います。

 

――対戦相手との駆け引きにおいて、サングラスをして自分の眼を隠す選手もいるとお聞きしました。

川中: 試合で緊張することもあるのですが、その時は態度や雰囲気を相手に悟られないように心掛けています。

 

大井: 日常生活においても、あまり慌てないと?

川中: 割と落ち着いて、物事を見れていますね。

 

 勝つイメージを持って眠る

 

大井: アーチェリーは研ぎ澄まされた集中力を競うスポーツと言われています。トレーニングや試合後は、肉体はもちろんのこと精神的にもダメージがあるでしょう。疲労回復のためにも良質な睡眠がとても重要になってきます。

川中: とても大事だと思います。いつも7、8時間くらいは寝るようにしていますね。

 

大井: 遠征などで移動する際には、携帯用のリチャージスリムロングを使えば、座席も快適になりますよ。

川中: 座り心地もとてもいいです。ぜひ、使ってみます。

 

大井: 遠赤外線を配合した生地に特長があり、緊張を緩めて体を楽にします。長時間移動の疲労も軽減されるでしょう。また目元から後頭部を温かく包み込むビューティーマスクも寝る時にお勧めです。普段、寝ている時に夢は見られますか。

川中: 試合の夢はありますが、メダルを獲った夢はあまりないですね。イメージトレーニングは普段あまりやらないのですが、寝る前だけはすることがあります。

 

151105aliven7大井: どのようなことを思い浮かべるんですか。

川中: ベッドの中に入って、自分が落ち着いた状態の試合をイメージしています。

 

大井: そのまま眠りに入るわけですね。

川中: 人にもよると思うんですが、私の場合は試合を想定して、自分が真ん中に入れられるイメージをしています。

 

大井: やはりポジティブなイメージトレーニングをすると、それが現実になる確率は高くなりますか。

川中: 自分の頭の中に勝つイメージがつくので、すごく効果はあると思います。

 

 勝つために挑戦し続ける

 

――競技を始められたきっかけは?

川中: それまで違うスポーツをしていたんですが、高校に入学した時にたまたまアーチェリー部があったので、“やってみようかな”と軽い気持ちで始めてみました。

 

――試しにやってみたら夢中になったんですね。

川中: いえ、スタートは初心者だったので、はじめの頃は基礎トレーニングばかりでした。ゴムチューブを使った弓の引き方の練習をしながら“早く矢を撃ちたいな”と思っていました。

 

――初めて矢を放った時のことは覚えていますか?

川中: まず的に刺さることが楽しかったです。それが真ん中に寄っていくようになって、どんどん面白くなっていきました。今でも中心に当たる時の嬉しい気持ちは変わりませんね。

 

大井: アーチェリーを通じて、どういうところが鍛えられましたか。

川中: 自分の限界に挑戦し続ける心の強さは鍛えられたかなと思います。

 

――勝つためには必要なこととは?

川中: 自分に勝つことですね。出した点数に満足せずに、もっと上を目指していくことが大事だと思います。

 

 2度目の大舞台に挑む

 

151105aliven4――来年には2度目の五輪を控えています。1度目とは違った重みがありますか?

川中: やはり初めてのオリンピックはすごく緊張しましたね。

 

――ロンドン五輪では地に足が付かなかったと。

川中: そうですね。ふわふわしていたかなと思います。

 

――試合のことはあまり覚えていませんか。

川中: 楽しかったということは記憶に残っていますが、映像を見て“こんなふうに撃ってたんだなぁ”と思ったくらいです。ロンドンは周りの空気は本当にメダルを獲りに来ているという感じで、どの国もすごく真剣でした。でも私は普段の世界大会と変わらない気持ちで臨んでいたので、試合を楽しむことはできたんです。

 

大井: オリンピックを意識始めたのはいつ頃ですか?

川中: 私は大学に入る頃に考えるようになりました。最初はオリンピックを目指そうとは思ってもいなかったので、競技をしていく中で自然と芽生えていったんです。

 

大井: 最後にズバリ、来年のリオ五輪での目標は?

川中: 前回のロンドン五輪が団体銅メダルだけだったので、今回は個人と団体で金メダルを獲りたいです。

 

151105aliven川中香緒里(かわなか・かおり)プロフィール>

1991年8月3日、鳥取県出身。高校からアーチェリーを始める。11年のアジア選手権団体で優勝。12年のロンドン五輪は団体の3位決定戦で勝利し、団体戦日本初の銅メダルを獲得。7月の世界選手権でリオデジャネイロ五輪の出場枠を手に入れて、同五輪代表に内定した。身長159センチ。ミキハウス所属。

 

(写真/金澤智康、進行役・構成/杉浦泰介)