12日、WBSC世界野球プレミア12の第1ラウンドが行われ、Bグループの日本代表(世界ランキング1位)はドミニカ共和国代表(同6位)に4-2で勝利した。初回に1点を先制すると、4回表に中田翔(北海道日本ハム)の適時打で追加点をあげた。7回裏、日本の2番手・小川泰弘(東京ヤクルト)が同点本塁打を浴びるものの、8回表に中田が勝ち越しタイムリーを放ち、2点のリードをつくる。後はリリーフ陣が無失点に抑えて4-2で逃げ切った。開幕3連勝を決めた日本は、14日にアメリカ代表(同2位)と対戦する。

 

 山崎、初の国際大会で1イニング三者凡退(桃園国際棒球場)

日本代表     4 = 100100020

ドミニカ代表   2 = 000000200

 

(日)武田-○小川-山崎-S松井

(ド)D・カブレラ-J・パヤンプス-●D・デヘスス-L・デラクルーズ-F・ロンドン

本塁打 (ド)R・ロドリゲス1号2ラン

 

 2夜連続の決勝打で、再び日本を勝利に導いた。メキシコ戦でサヨナラ打を放った中田が、同点に追いつかれた直後の攻撃で勝ち越しタイムリーを打った。試合後のインタビューで小久保裕紀監督は「昨日、今日と中田に救われました。打線では中田様様ですね」と連日のヒーローとなった中田を褒め称えた。 

 

 初回、日本は相手の守りのミスをきっかけに先制点を奪った。4回表には山田哲人(ヤクルト)と、筒香嘉智(横浜DeNA)が四球を選んで出塁すると、1死一、二塁で中田に打順が回る。メキシコ戦で3安打5打点と大当たりだった中田は、低めのボールをすくい上げるようにして打ち返し、センターに運んだ。中田の適時打で1点を重ねた日本はメキシコを2点差に突き放す。

 

 順調に試合を運ぶ日本にアクシデントが襲う。先発・武田翔太(福岡ソフトバンク)は、4回裏に無死一、二塁のピンチを無失点で切り抜けた直後、右足を気にする素振りを見せた。ベンチの判断は武田をこの回で諦めた。武田の緊急降板をカバーしたのは、今季2ケタ勝利をあげた小川である。小川は5、6回を三者凡退に抑えてメキシコ打線に攻撃のスキを与えなかった。

 

 しかし、迎えた3イニング目に落とし穴が待っていた。テオスカル・エルナンデスの打球をレフトの筒香が目測を誤り、二塁打となる。小川は味方のミスから生まれた1死二塁のピンチでローニー・ロドリゲスに同点本塁打を浴びてしまう。ここまで完璧に抑えていただけに、ロドリゲスの一弾は痛かった。

 

 失点直後の8回表、再び中田の一振りが日本を救った。4回表と同様に、山田と筒香が四球で出塁すると、2死一、二塁で中田に打席が回る。すると、相手投手のボークで2死二、三塁とチャンスは広がった。「投手のために打ちたかった」と打席に入った中田は、5球目をレフト線ぎりぎりに飛ばした。中田のタイムリーツーベースで4-2と勝ち越しに成功した。

 

 再びリードを奪った後は若い力が躍動した。8回裏は、ルーキーの山崎康晃(横浜DeNA)が三者凡退に抑えた。初の国際舞台にもかかわらず、堂々たるピッチングだった。クローザーに抜擢されたのは、チーム最年少の松井裕樹(東北楽天)。松井は先頭打者の出塁は許したものの、次打者をサードゴロに仕留める。1死一塁で、小川が2ランを打たれたロドリゲスを併殺打に打ち取って、ゲームを締めた。

 

 中田は2安打3打点と第2戦に引き続き絶好調だ。小久保監督がこの大会で4番に指名している中村剛也(西武)は2試合連続ノーヒットに終わった。4番の交代も大いにあり得るはずだ。第2戦まで固定していたスタメンを、この日は変えてきたので、14日のアメリカ戦はどんなオーダーを組むのかも非常に楽しみである。好調の中田だけでなく、他のバッターにも当たりが出てくることが勝つための鍵となるだろう。