春の敵
みなさん、こんにちは。
日本では桜が開花して、春を迎えているそうですね。ここ香港は雨季に入っています。例年と少し違っているのは気温でしょうか。今年は3月下旬に入っても11度、12度ほどしか上がっていません。雨が降ったり、雷がゴロゴロとなったりと憂鬱な天気の毎日で、雨の降らない日でも湿度が98%という日もあったほどです。
この時期になると、家庭ではある“敵”との戦いが待っています。
何だと思います?
それは「カビ」なんです。ちょっとでも油断してしまうと、あちこちに繁殖して大変なことになります。
僕自身、季節の変わり目にあっても良いコンディションをキープできています。ただこれだけ雨が続いてしまうと、練習をしていても“気持ち良く”という感じにはなかなかなりません。
僕が所属するドリームメトロギャラリーも、何だか気持ちの晴れない試合が続いています。
3月6日は残留争いの真っただ中にあるWong Tai Shinとアウェーで対戦しました。前半21分に先制して、その4分後に今季6ゴール目を決めることができました。味方のFKを高い打点で合わせることができました。
前半25分で2-0。ここまでは良かったのですが、前半35分に1点を返されると後半に2点を奪われて2-3で逆転負けに終わってしまったのです。
これは若い選手の多いドリームメトロギャラリーの経験値の低さ、精神的な脆さが出てしまったのかなと思います。サッカーも、心理戦の部分が非常に大きいスポーツ。相手チームは残留争いの最中にあるとはいえ、前節に今季初勝利を挙げたということもあって勢いづいていました。2-0になっても、プレッシャーはガンガン来るし、下を向くような選手はいなかった。
リードしていた僕らは、今は自分たちの時間なのか、相手の時間なのかを見極めながら試合をうまくコントロールしていかなければならなかった。それなのに、受け身になってしまいました。ここは僕を含めたベテランがもっと味方を鼓舞していく必要がありました。
翌節(3月13日)はWong Tai Shinと入れ替わって最下位に落ちたレンジャーズと対戦しました。結果は1-1で引き分け。捨て身で戦ってくる相手から勝利を奪えることはできませんでした。
2月、3月は計4試合あって、1つも勝てていません。
その一つの要因として、僕は「モチベーションの温度差」があるんじゃないかと思っています。
ドリームメトロギャラリーの今季の目標は「残留」でした。現在9チーム中6位にいるので、残留はほぼ確定しています。そうなると、チームの中には目標を果たせたという安堵感を持つ選手もいれば、5位までに入ってプレーオフに絶対に出たいと次の目標に向かっている選手もいます。
まずはここを一つにしなければなりません。5月7日の最終節までの残り3試合で、5位のペガサスとは勝ち点で2差。プレーオフがしっかり手に届く位置にいるので、「プレーオフ出場」という目標をあらためてみんなで掲げたうえで、同じ方向に進んでいきたいと思っています。
僕は昨年、プレーオフに出場しましたが、レギュラーシーズンとは盛り上がりが違います。ここまでやってきた1年間の総仕上げの意味もありますし、僕自身、絶対に出たいと考えています。
日本では2月末にJリーグが開幕しましたね。
先日、愛媛FCでチームメイトだった横浜F・マリノスの齋藤学選手から連絡が来ました。「今年はやります」という彼の熱い決意表明に、刺激をもらいました。マナブは日本代表でも十分にやれるだけの資質を持っていますし、やってくれるだろうと期待しています。
香港のシーズンもあと少し。マナブに負けないように結果を残して、「良い春」にしたいと思います。