すでに夏のような暑さも感じられるこの頃、ボート部と弓道部の活動も活発になってきた。この5月は両部ともに好成績を残している。

 

daiki武田ボート部

(写真:全日本軽量級選手権へ向けて復調なった武田 撮影/寿友紀)

◆ボート武田、朝日レガッタで手応え
 ボート部・武田大作には、朝日レガッタ4連覇の期待がかかっていた。
 朝日レガッタは毎年、ゴールデンウィークに滋賀県立琵琶湖漕艇場で開催される伝統の大会だ。2011年は震災の影響で中止となったが、今年で69回目を迎える。

 

 シングルスカル4連覇を目指していた武田にとって、シーズンオフに負傷した腰の具合だけが不安材料だった。

「3月に腰を痛めてから治療とリハビリを進めてきましたが、4月はオールを漕ぐのもまだまだという状況でした。それでも中日本レガッタ(4月22~24日)にはなんとか間に合わせることができました」
 中日本レガッタには十分にトレーニングができていない状況で「ほぼリハビリ」と割り切っての出場だった。それでも準決勝まで進出し、武田は「ケガで出遅れた分はほぼ取り返せた」と手応えを感じていた。

 

(写真:朝日レガッタに出場した武田*手前から2艘目)

(写真:朝日レガッタに出場した武田*手前から2艘目)

 そして迎えた朝日レガッタで予選第5組を1位で通過して準決勝へと進んだ。準決勝では腰の状態を考えて無理をせず、ライバルの須田貴浩に続く2位でフィニッシュ。決勝へと駒を進めた。
 5月4日、決勝当日の琵琶湖は強風が吹く荒天となった。この影響でレース距離が1000mから500mへと変更された。また強風による中断でレーススタートが遅れるというアクシデントもあった。
「中断で一回気持ちが切れてしまった部分もありました。メンタル面のコンディションを保つのが非常に難しいレースでした」

 

 結局、2時間遅れで始まった男子シングルスカル決勝、武田はスタートで出遅れた。しかしこれで「逆に開き直れた」と、徐々にトップをいく須田との差を詰めていった。
 レース終盤にはグイグイと追い上げていった武田だったが、結局、コンマ43秒差まで迫ったところでフィニッシュとなった。武田はレースをこう振り返っている。

 

「スプリント系の練習をしていなかったので500mは正直きついと思っていました。1000mでやりたかったのが本音ですが、追い上げていけたことには手応えを感じました。最後は体が動きませんでしたね。練習さえできていれば……」
 最後は悔しさもにじませたが、武田は気持ちを切り替えている。次の目標は5月27~29日の全日本軽量級選手権(戸田)だ。

 

SC201605住吉大社全国大会

(写真:住吉遠的大会の団体優勝を飾った佐々木、山内、玉木)

◆弓道部、住吉遠的、国体選考会で躍進
 弓道部は5月1日の第65回住吉大社遠的大会に出場した。この大会は全国から出場者が集まり、毎年ハイレベルな戦いとなる。日本各地の強豪と戦うことで地力を高めるのにはうってつけの大会だ。一般団体女子を戦うメンバーは、佐々木磨理、玉木里奈、山内絵里加の3人である。


 住吉大社遠的大会は射距離が60m。的の大きさは予選が直径1m、決勝では50cmとなる。「この大会の難しさはその50cmの的にあるんです」と、弓道部主将・佐々木は語った。
 予選を勝ち抜いた後、決勝では同中で3チームが並んで射詰(いづめ)での決着となった。射詰とは3人で1本ずつ矢を放ち、的中した本数で順位を競うもの。しかし各チームともになかなか的中せず決め手を欠く状態で、5回の射詰が行われる激闘となった。最後は山内が的中し、団体戦での優勝をものにした。

 

「1mの的で7点以内、これが50cm的の的中ゾーンになります。1m的と狙う場所は同じだとしても、的のサイズが小さくなることで緊張感が増していました。決勝に残るチームはどこも真ん中に的中させる能力を持っていて、お互いにそれもプレッシャーになりました。そういう状況の中で優勝できたことは自信につながりますね。次もこの調子でいきたいと思っています」

 試合の後に佐々木が言った「次」とは、5月22日に行われた国体最終選考会である。

 この最終選考会で今年のいわて国体、そして来年のえひめ国体の強化選手5人が決定する。国体優勝を狙う弓道部にとって最初の関門である。

 

 今年の国体選考会は1月の一次予選が悪天候で中止になり、3月に二次、4月に三次と2大会が実施された。三次予選までの結果で玉木、佐々木が1位、山下花凜が3位、山内が5位と代表圏内に4人が名を連ねていた。
「仲間であると同時にライバル」と、常々語っている弓道部のメンバーはお互いを意識しながら選考会を戦った。結局この最終選考会で玉木、佐々木、山下、山内は安定して矢を放ち、4人が国体強化選手に選ばれた。

 

「秋のいわて国体、そして来年の地元開催となるえひめ国体とまだ先は長いですが、とりあえず一安心しています。ただこの後はブロック代表の3人に選ばれること、そして四国4県で2県分を争う国体出場枠を勝ち取ること、まだまだ関門は残っています」
 佐々木は強化選手に弓道部から4人が入ったことを喜んでいたが、最後は気を引き締めていた。この後は8月21日の四国地区国体弓道競技会での出場権確保、そして10月7日から開催のいわて国体と、弓道部の挑戦はまだまだ続く。


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