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(写真:市民大清掃の参加団体プラカード)

 松山市内は明け方から小雨が降り続いた。そんな中、今年も松山市・市民大清掃に愛媛FCサポーター達が参加し、清々しい汗を流した。
 
 グループの枠を越え、愛媛FCサポーター達が集う「愛媛ゴール裏net」。今シーズンも各所で、清掃等の奉仕活動に励んでいる。
 
 7月10日(日)、今回で41回目となる松山市・市民大清掃が行われた。午前6時30分より松山市役所前にて結団式が行われ、私達「愛媛ゴール裏net」も参加団体として司会者から紹介していただいた。その後、午前7時から、サポーター有志が松山市駅周辺に繰り出し、清掃活動を開始した。

 

 愛媛FCをアピールするため、参加者達は各々、レプリカユニフォームやオレンジ色のTシャツを身に纏い、ゴミ拾いなどの作業に取り掛かる。


 一見すると美しく見える町並みも、歩道横の植え込みや路側帯等に目をやると、空き缶やペットボトル、タバコの吸殻等の多くのゴミが無造作に捨てられていることに気が付く。

 火バサミ等を使って丁寧にゴミを除去していくが、低木の枝の間に挟まっている物は、とても取りづらく、作業を繰り返す内に、いつしか着ていたTシャツも泥と雨水で黒く汚れてしまった。一緒に作業していたサポーターの中には、壊れた傘や帽子など、大きなゴミを見つけた者までいた。


 1時間ほどの活動だったが、手持ちのビニール袋がいっぱいになるくらいのゴミを拾った。「少しは街の美化に貢献できたのかな……」と誇らしく感じた。地域で暮らす私達にとっては、公共の場所でのモラルやマナーを見直す良い機会になった。

 

 今後も「愛媛ゴール裏net」では、様々な場所でボランティア活動を推進していく予定だ。機会があれば皆さんにもご参加いただきたい。

 

 朝の清掃活動を終えると休む暇も無く準備を整え、今度はPikaraスタジアム(香川県丸亀市)へと出発した。同日(7月10日)の夕方、J2第22節となる「カマタマーレ讃岐対愛媛FC」の一戦が、アウェイにて行われたのである。

 敵地での戦いだったが、隣県ということで、愛媛FCのサポーターも大勢詰め掛けた。アウェイ側スタンドはオレンジ色に染まっていた。試合前にはビッグフラッグ(エンブレムフラッグ)をスタンドにて展開し、皆と力を合わせ、気合を込めつつ応援を続けた。


 試合は、愛媛FCが前半23分にFW瀬沼優司選手のゴールで先制したが、追いつかれて「1-1」の引き分けに終わった。先制後も再三に渡って決定機を創り出すものの決めきれず、悔しい引き分けとなった。

 翌週末には、J2第23節、「愛媛FC対清水エスパルス」の一戦が愛媛FCのホーム(ニンジニアスタジアム)で行われた。

 前半10分、敵陣右サイドのDF三原向平選手からのクロスに、上手くタイミングを合わせたMF小島秀仁選手がヘディングシュートを放った。ボールは敵GKの伸ばした手の先をすり抜け、見事ゴールイン! 試合の立ち上がりに愛媛FCが先制ゴールを奪った。
 
 しかし、前半24分に追いつかれると、後半21分には敵FWに巧みなシュートを決められ逆転される。
 
 追い詰められた愛媛FCは後半27分に足の怪我から復帰したFW西田剛選手を投入する。大歓声に迎えられた西田キャプテンがピッチで躍動すると、チームも勢いを取り戻し始めた。


 試合は終盤まで進み、いよいよアディショナルタイムへと突入。2分が経過する中、西田キャプテンの頑張りで、愛媛FCが左サイドからのコーナーキックを得る。これをきっかけに、3回連続でコーナーキックが続いた。


 キッカーは左利きのDF内田健太選手。実を結んだのは3回目のコーナーキックだった。長めの助走からゴール前に向けてボールを供給した。DF西岡大輝選手が合わせたヘディングがクロスバーに弾かれる。しかし次の瞬間、こぼれたボールをゴール前に詰めていたDF林堂眞選手が押し込み、ついに同点に追いついた!


 その後スコアは動かず、試合は「2-2」の同点のまま終了した。強敵を相手に敗戦を覚悟する中、愛媛FCは土壇場で追いついた。勝ちに等しい同点劇の試合後、スタジアムの興奮は収まるどころか最高潮に達していた。

 西田剛選手は昨年11月以来の試合出場だった。チームにとって頼りになるキャプテンの復帰は、サポーターやファンにとっても、本当に嬉しい話題である。長い期間、焦る気持ちを抑えつつ、つらいリハビリを耐え抜いた西田キャプテン。復帰に向けて溜めてきた様々な思いを、今後のピッチ上でのプレーで存分に表現して欲しいと思う。

 

<松本 晋司(まつもと しんじ)プロフィール>

1967年5月14日、愛媛県松山市出身。愛媛FCサポーターズクラブ「Laranja

Torcida(ラランジャ・トルシーダ)」代表。2000年2月6日発足の初代愛媛FCサポーター組織創設メンバーであり、愛媛FCサポーターズクラブ「ARANCINO(アランチーノ)」元代表。愛媛FC協賛スポンサー企業役員。南宇和高校サッカー部や愛媛FCユースチームの全国区での活躍から石橋智之総監督の志に共感し、愛媛FCが、四国リーグに参戦していた時期より応援・支援活動を始める。

 


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