11日(日本時間12日)、柔道は男子100キロ級で羽賀龍之介(旭化成)が銅メダルを獲得した。この種目の日本勢では2000年シドニー五輪以来のメダルとなった。決勝は準々決勝で羽賀を破ったルカシュ・クルバレク(チェコ)が、エルマル・ガシモフ(アゼルバイジャン)に一本勝ちした。女子78キロ級はケイラ・ハリソン(アメリカ)がオドレイ・チュメオ(フランス)を下し、2連覇を達成。昨年の世界選手権女王・梅木真美(環太平洋大)は初戦(2回戦)で敗れた。

 

「メダルがあるとないとでは大きい。どんなかたちでも勝とうと思った」と羽賀。世界王者として臨んだ羽賀は準々決勝で敗れたが、最後に意地を見せた。

 

 初戦は得意の内股で一本勝ち。続く3回戦は地元のブラジル選手を相手に優勢勝ちを収めた。しかし羽賀は準々決勝で攻め切れず、指導の差で優勢負けを喫する。男子100キロ級での日本勢4大会ぶりの金メダルを手にすることはできなかった。

 

 敗者復活戦に臨んだ羽賀はベカ・グビニアシビリ(ジョージア)を相手に優勢勝ちし、3位決定戦はアルチョム・ブロシェンコ(ウクライナ)と対戦した。試合時間2分を経過する前に羽賀は指導の数で、優位に立った。すると3分を過ぎたところで、羽賀は内股を仕掛け相手を畳の上へ倒す。ポイントとはならなかったが、そのまま寝技へ移行。三角絞めからの関節技で腕を極めると、たまらずブロシェンコはギブアップした。

 

 井上康生(現男子日本代表監督)が金メダルを獲得して以来、100キロ級の日本勢は表彰台に上がることすらできていなかった。羽賀も14年の世界選手権では同級の代表派遣を見送られるなど、屈辱を味わってきた1人だ。「やっぱり金がほしかった。もっともっと努力して強くなって帰ってきたいです」。25歳は4年後のリベンジを誓った。

 

(文/杉浦泰介)