16日(日本時間17日)、卓球の女子団体3位決定戦で世界ランキング2位の日本が同3位のシンガポールを3対1で下した。日本は銅メダルを獲得し、2大会連続のメダルを手にした。

 

 順位はひとつ下げたものの、2大会連続の表彰台は4年後の東京へ繋がる大きな一歩だ。「最後は全員の勝利」と日本代表の村上恭和監督が語れば、エースの石川佳純(全農)は「3人で勝ち取った勝利」と胸を張る。最年少の15歳・伊藤美誠(スターツSC)は「みんなで掴んだメダル」と喜んだ。

 

 キャプテンが3位決定戦のトップバッターにはキャプテンの福原愛(ANA)が任された。「負けの責任は全て私にある。今日の悔しさをすべてぶつけたい」。シングルスとダブルスで2敗をした準決勝の後、悲壮な決意を口にしていた。しかし、福原は世界ランキング13位のユ・モンユにファイナルゲームの末、落としてしまう。

 

 2番手・石川の相手はフェン・ティアンウェイ。世界ランキング4位と同6位の石川をも上回る。ロンドン五輪準決勝では敗れている相手である。「4年前とは違う自分を見せたかった」。石川はその言葉通り、得意のフォアハンドは冴えた。第1ゲームを接戦で取ると、続く2ゲームも連取してストレート勝ち。勝敗を五分にした。

 

 続くダブルスは福原と伊藤が組んだ。第1ゲームを落とす苦しい展開だったが、福原は伊藤に何度も声を掛け、引っ張った。第2ゲームを取り返すと、第3ゲームは11-1と圧倒する。流れを掴んだ日本のペアは第4ゲームを12-10と接戦で取って、表彰台まであと1勝とした。

 

 4番手は伊藤のシングルス。シンガポールはフェン・ティアンウェイが再び登場した。まずは伊藤がエッジボール(台の角に当たること)で先制する。今大会エッジボールで点を失うことが多かった日本だが、この日は得点になる場面が目立った。運も味方したのか、11-9、11-4で連取した。これで勢いに乗った伊藤は5-4から5連続ポイントで突き放す。2点を返されたが、最後はフェン・ティアンウェイの打球は台を外れた。この瞬間に日本の勝利が確定。3人は歓喜の涙を流した。

 

 日本はチームランキングで世界2位。打倒中国を胸にリオで挑んだが、彼の国の待つ決勝の舞台へは進めなかった。村上監督も「70点ぐらい」と総括したように3位という結果は満足できるものではなかったかもしれない。それでも気を引き締め直して掴んだ銅メダル。4年後に向けて、2大会連続のメダルは自信にも繋がったはずだ。

 

(文/杉浦泰介)