12日、プロ野球パ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)・ファイナルステージが札幌ドームで開幕した。リーグ優勝を果たした北海道日本ハムとリーグ2位・福岡ソフトバンクの対決は、大谷翔平と武田翔太の投げ合いとなった。序盤は両投手ともに得点を許さず、緊迫した投手戦となった。
 試合が動いたのは5回裏。日本ハムが相手のミスで広げたチャンスをものにして先制。その後も攻めた日本ハムは、中田翔のツーランも飛び出してこの回に6点をあげた。投げては先発の大谷が7回を1安打で封じ、その後は継投でソフトバンクを0点に抑えた。日本ハムがアドバンテージ1勝と合わせて2勝と先行した。

 

◇ファイナルステージ第1戦
 西川が先制タイムリー(日本ハム2勝、札幌ドーム)
福岡ソフトバンク   0 = 000|000|000
北海道日本ハム   6 = 000|060|00×

勝利投手 大谷(1勝0敗)
敗戦投手 武田(0勝1敗)
本塁打  (日)中田1号2ラン

 

 日本ハムの先発・大谷は初回、3番の柳田悠岐にフォアボールを出したものの、続く4番・内川聖一を内野ゴロに打ち取った。立ち上がりから球速162キロを記録するなど、大谷は絶好調。対するソフトバンクの先発、武田もウイニングショットのカーブが冴えた。

 先頭バッターの西川遥輝を完全に打ち取りながらも不運な内野安打で出塁を許したが、後続をきっちりと抑えた。両チーム譲らない立ち上がりで、序盤は投手戦でゲームが進んだ。

 

 武田は日本ハム打線を4回裏まで2安打(内野安打1)に抑えて、対する大谷も5回表まで1安打に抑える。武田は落差のあるカーブで、一方の大谷はゆったりとしたフォームから投じる160キロ超のストレートと130キロ後半のスライダーを組み合わせて、ソフトバンク打線を翻弄した。

 

 5回裏、ひとつのエラーが試合の流れを変えた。
 日本ハムの先頭打者、ブランドン・レアードが武田のカーブをうまく拾ってクリーンヒット。続く8番の大谷がセンター前に弾き返して無死一、二塁。9番・大野奨太が送りバントを決めたが、チャージして一瞬、三塁封殺を狙った武田がボールを握り損ねる痛恨のミス。オールセーフで無死満塁となった。

 

 打席には1番の西川。ここまで武田のカーブにまったくタイミングの合ってなかった西川だが、追い込まれてからカーブに食らいついてファウル。次に武田が投じたフォークボールをセンター前に弾き返して、レアード、大谷が生還。日本ハムが2点を先制した。

 

 攻撃の手を緩めない日本ハムは中島卓也が送りバントを決めて、1死二、三塁。続く近藤健介が放った打球は前進守備のショートの頭を越えてレフト前へ。これで2点を追加して4-0。ダメ押しは4番・中田の一振りだった。初球のストレートをフルスイング、左中間スタンドにツーランホームランを叩き込んだ。

 

 6点のリードをもらった大谷は6回、7回を三者凡退で切ってとり役目を終えた。102球を投げた大谷は、明日以降は打者としてスタメンに名を連ねる予定だ。
 大谷の後をうけた谷元圭介が8回を三者凡退で抑えて、9回はクリス・マーティンがマウンドに上がった。9月4日に左足を負傷して以来の登板となったが、マーティンは、中村晃、本多雄一、柳田を3者三振にとり完全復活をアピールした。

 

 敗れたソフトバンクはファーストステージからノーヒットの柳田の復調が鍵となる。大谷からあわやセンターオーバーの大飛球を放った松田宣浩など、主軸の調子は上向いてきた。2勝リードする日本ハムだが日本シリーズ進出に向けては、もう一波乱の予感がする。