12日、プロ野球セ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第1戦が広島・マツダスタジアムで行われ、広島が横浜DeNAを5‐0で下した。広島は3回裏に丸佳浩、新井貴浩の連続タイムリーで2点を先制する。7回裏には田中広輔と菊池涼介の適時打でリードを広げた。8回裏に1点を加えた広島は、先発のクリス・ジョンソンが9回3安打完封。これでアドバンテージ1勝と合わせて通算2勝0敗とした。

 

◇ファイナルステージ第1戦

 1番・田中、3安打1四球と全打席で出塁(広島2勝、マツダスタジアム)

横浜DeNA   0 = 000|000|000

広島       5 = 002|000|21×

勝利投手 ジョンソン(1勝0敗)

敗戦投手 モスコーソ(0勝1敗)

 

 広島はレギュラーシーズン同様、投打がかみ合って勝ちを掴んだ。田中、菊池の1、2番コンビがチャンスを作って3番・丸、4番・新井が還す。先発のジョンソンは二塁を踏ませぬピッチングで横浜DeNA打線をシャットアウトした。

 

 広島はジョンソン、DeNAはギジェルモ・モスコーソ。両軍ともに助っ人外国人に先発マウンドを託した。今季15勝を挙げたジョンソンは、「最初はナーバスになった」と立ち上がりはコントロールに苦しむ。いきなり1番の桑原将志をフォアボールで歩かせてしまう。2番にはケガを押して強行出場の梶谷隆幸。ここでジョンソンは6-4-3のダブルプレーに切って取り、自らを楽にした。続くホセ・ロペスにも四球を与えたが、4番の筒香嘉智を空振り三振に仕留めた。初回をゼロで切り抜けたジョンソンは、「アドレナリンが出始めて自分のピッチングができた」と、センター丸のファインプレーにも助けられて2回と3回を三者凡退に抑えて援護を待つ。

 

 すると1、2回は得点圏にランナーを進めながら点を取れなかった打線が、先制点を奪った。先頭の田中がフォアボールを選んで出塁すると、菊池がバントで確実に送る。チャンスで打席が回ってきた丸は3回表に好守を見せており、その勢いを打撃にもつなげたいところだ。丸はボールカウント2-1からの甘く入った変化球を見逃さなかった。打球はグングン伸びて、センターオーバーのツーベースとなった。続く新井もライトへタイムリーを放ち、広島が2点をリードした。

 

 ジョンソンはその後も快調なペースでピッチングを続ける。4回表は梶谷にヒットを許したものの、ロペスをレフトフライ、筒香をショートゴロの併殺に切って取った。7回表はDeNAのクリーンアップを迎えてロペスを空振り三振、筒香は詰まらせてセカンドフライに打ち取る。5番・宮崎敏郎はピッチャーゴロで三者凡退。スコアボードにゼロを並べた。

 

 好投するジョンソンを打線がさらにサポートする。7回裏には石原慶幸がヒット、ジョンソンが送って、下位打線でチャンスメイク。ここで田中がモスコーソの変化球をライトへ運んだ。打球はライトの頭上を越えるツーベースとなり、石原がホームイン。この日、3安打の田中は二塁上でガッツポーズを見せた。田中は続く菊池のセンターへのヒットで快速を飛ばして本塁へ還ってきた。リードを広げた広島は8回裏にも代打ブラッド・エルドレッドのタイムリーが飛び出し、5点差をつけた。

 

 広島の緒方孝市監督は9回のマウンドもジョンソンに任せる。ジョンソンは1死から梶谷にヒットを打たれたものの、ロペスと筒香をセンターフライに仕留めてゲームを締めくくった。9回105球を投げて、3安打完封勝ち。ロペス、筒香、宮崎のクリーンアップをノーヒットに抑えるなど、完璧に近い出来だった。左のエースの好投で、広島は25年ぶりの日本シリーズへ向けて、最高のスタートを切った。

 

(文/杉浦泰介)