13日、セ・リーグのクライマックスシリーズ（CS）ファイナルステージ第２戦が行われ、広島が横浜DeNAに３－０で完封勝ちを収めた。広島は初回に丸佳浩がタイムリーヒットを放ち１点を先制すると、３回に丸の犠牲フライで１点を追加した。８回には田中広輔のソロ本塁打でさらに得点を重ねた。投げては、先発の野村祐輔が６回３安打無失点。７回以降は今村猛、ジェイ・ジャクソン、中崎翔太の完封リレーで試合を締めた。DeNAとの対戦成績を３勝０敗（アドバンテージ１勝を含む）とした広島は、日本シリーズへ一歩前進した。
◇ファイナルステージ第２戦
田中、３打数２安打の活躍（広島３勝０敗、マツダスタジアム）
横浜DeNA ０ ＝ ０００｜０００｜００
広島 ３ ＝ １０１｜０００｜０１×
勝利投手 野村（１勝０敗）
敗戦投手 三嶋（０勝１敗）
セーブ 中崎（１Ｓ）
本塁打 （広）田中１号ソロ
投打がかみ合った広島がゲームを連取した。１番・田中、２番・菊池涼介、３番・丸、先発・野村の“同世代組”の活躍が光った。
初回、先頭の田中がツーベースヒットで出塁すると、次の菊池が確実に送りバントを決めた。一死二塁のチャンスで打席に立った丸は、５球目をライト前に運んだ。その間に田中がホームイン。１点を奪った広島は、幸先の良いスタートを切った。
３回裏にも再び“同世代組”が躍動した。この回は先頭の田中から始まった。田中は７球粘った末、フォアボールを選んで出塁。すると、菊池の打席で相手の先発・三嶋一輝が暴投し、無死二塁になる。ここで菊池が初回に続き送りバントを決めて、一死三塁と追加点のチャンスを作った。
打席に入った丸は３球目を勢いよく振り抜き、センターへのフライを放つ。打球は少し浅かったが、三塁走者・田中の好走塁で生還。１点を追加し、リードを２点に広げて、野村を後押しした。
序盤に援護をもらった野村は３回までパーフェクトピッチングを見せる。４回表に一塁手のブラッド・エルドレッドのエラーをきっかけに、２死満塁のピンチを招いたが、野村は冷静だった。迎えた倉本寿彦を１球でファーストゴロに仕留めて、一打同点の窮地を難なく切り抜けた。「ファンの皆さんの声援が後押ししてくれました」と、野村は６回３安打無失点でマウンドを降りた。
２点リードで迎えた８回裏、田中からCSファイナルステージ第１号が飛び出す。４番手の三上朋也が放った初球のストレートをライトスタンドへ放り込んだ。田中のダメ押しとなるソロホームランで、DeNAをさらに突き放した。
最終回は、守護神・中崎翔太が無失点に抑えて、３－０でゲームを締めくくった。ヒットの数を見ると広島が４本、DeNAが５本。広島は１本少なかったにも関わらず、３得点を挙げている。広島の打線がいかにチャンスを得点に繋げていたかが分かる。
２打点の活躍を見せた丸は、ヒーローインタビューで「CS突破まであと１勝です。あと１勝分、僕らに力を貸してください」と言い、マツダスタジアムを沸かせた。投打でDeNAを圧倒した広島は、1991年以来の日本シリーズ進出まであと１勝に迫った。
（文／安部晴奈）