23日、プロ野球の日本シリーズ第2戦が行われた。本拠地で先勝した広島が、この日も2回に先制したが4回に北海道日本ハムが追いつく。しかし6回に広島が連打と相手のエラー、ホームランなどで一挙に4点をあげて逆転した。9回表、1死一、二塁で日本ハムは切り札、代打・大谷翔平を起用したが三振。広島が2勝をあげて、シリーズの舞台は25日から札幌ドームへ移る。

 

◇第2戦
 盤石の広島リリーフ陣、連夜のゼロ封(広島2勝、マツダスタジアム)
北海道日本ハム 1 = 000|100|000
広島      5 = 010|004|00X

 

勝利投手 野村(1勝0敗)
敗戦投手 増井(0勝1敗)
本塁打  (広)エルドレッド2号ソロ

 

 広島が先勝して迎えた日本シリーズ第2戦、先発投手は広島がリーグ最多勝の野村祐輔、日本ハムが増井浩俊。今季途中から先発に転向した増井は、12年の日本シリーズでは抑えで登板。先発は今回が初となる。


 その増井は初回、苦しい立ち上がりとなった。菊池涼介に二塁打を打たれて、続く丸佳浩にはフォアボール。これがワイルドピッチになって1死一、三塁。ここで4番・松山竜平がライトへ強烈な打球を放った。ライナー性のこの当たりを近藤健介が前進しながら好捕。菊池がタッチアップでホームを狙ったが、近藤が好返球を見せてタッチアウト。大舞台で初先発の増井を、バックの好守備が助けた。


 先手をとったのは広島だった。
 2回裏、1死からブラッド・エルドレッドがレフト前ヒットで出塁した。続く小窪哲也がフルカウントから外寄りのストレートを右方向へ打ち返して、これが右中間を破る二塁打になった。一塁からエルドレッドが生還して、広島がまず1点をリードする。

 

 日本ハムの同点劇は意外な形で訪れた。
 4回表、先頭打者の4番・中田翔がレフト前ヒットで出塁した。中田はこれが日本シリーズ初ヒットとなる。1死の後、田中賢介がフォアボールを選び一、二塁。陽岱鋼が三振に倒れた後、8番の大野奨太の打球はセカンドゴロに。バットが折れて、ややボールの下側を叩いた打球に対して、名手のセカンド菊池が前進しながらも一瞬戸惑い後退。これでバウンドが合わずにまさかの後逸。ライト前にボールが転がる間に同点のランナーがホームを駆け抜けた。

 

 野村、増井が好投を見せて同点のままゲームは進んだが、6回裏に山場が訪れた。
 先頭の田中広輔がツーベースを放って出塁。続く菊池は2ボール1ストライクのバッティングカウントで、送りバントの構えから一転してヒッティングに。打球は三遊間を破ってレフト前へ転がっていく。ここで俊足の田中広が果敢にホームを狙った。
 しかしレフトの西川遥輝がノーバウンドで好返球を見せて、判定はアウト。広島ファンで埋まったマツダスタジアムはため息に包まれたが、ここで緒方孝市監督がビデオ検証を求めた。審判団がビデオを確認して、判定は一転してセーフに覆った。田中広のホームインが認められて広島が2-1とリードした。

 

 ゲームはノーアウト2塁で再開。ここで3番の丸が投手前に送りバントを決めた。これを増井が一塁へ悪送球。ファールグラウンドにボールが転々とする間に、菊池がホームイン。3ー1となり日本ハムのピッチャーは増井から鍵谷陽平に代わった。
 広島は攻撃の手を緩めることなく、鍵谷の暴投の間に三塁に進んだ丸を、鈴木誠也が大きなセンターへの犠牲フライで迎え入れる。とどめはエルドレッドが2ストライクから、高めのボール球を強振。レフトスタンドに2号ソロを叩き込み勝負を決めた。

 

 その後は、広島が今村猛、ジェイ・ジャクソン、中崎翔太のリレーで日本ハムに反撃の糸口も与えずに0点に抑えた。