3年ぶりの開催となる男子ゴルフのワールドカップが24日に開幕する。舞台はオーストラリア・メルボルンのキングストンヒースGC。28カ国・地域が参加し、各チーム2人の「代表」が4日間にわたって激闘を繰り広げる。

 

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 2人1組で1つのボールを交互に打つフォアサム、2人それぞれがプレーして各ホールでスコアの良い選手の成績を採用するベストボールで競う。

 

 1953年に開催された「カナダカップ」を起源とする伝統ある国・地域別対抗戦。1967年から「ワールドカップ」に名称が変更された。2013年の前回大会(オーストラリア・メルボルン)はジェイソン・デイ&アダム・スコットの地元オーストラリアが2位の米国に10打差をつけて制覇した。

 

歴代優勝回数は米国が23度と断トツだ。日本も1957年大会(中村寅吉&小野光一)、2002年大会(伊沢利光&丸山茂樹)と2度優勝している。優勝チームは256万ドルの賞金を獲得できる。

 

 絶好調の松山、復活を期する石川

 

 今回日本代表として臨むのが松山英樹と石川遼のコンビである。

 メンバーは世界ランキング各国最上位(8月1日時点。辞退者が出れば繰り上がり)がまず選出され、その選手がパートナーを指名する方式。日本で最上位の松山は同じく米ツアーを拠点に置き、盟友でもある石川との“同級生タッグ”を希望し、実現に至った。

 

 松山は充実した1年を送っている。

 2月、フェニックスオープン(アリゾナ州スコッツデール)を制し、2季ぶりとなるツアー2勝目を挙げた。リッキー・ファウラーを相手に連続バーディーでプレーオフに持ち込み、4ホール目で激闘にピリオドを打っている。優勝翌日、スーパーボウルよりも「松山vs.ファウラー」をスポーツ面で大きく扱う地元紙もあったほど大きなインパクトを与えた。

 

4月のマスターズは終盤に盛り返して7位で終え、2年連続となるトップ10入りを果たした。そして8月の全米プロゴルフ選手権はメジャー自己最高位の4位タイの好成績を収めている。

 

 その後、調子はうなぎ昇り。10月には4年ぶりに日本オープンに出場し、2位に3打差をつける通算5アンダーで国内最高峰の大会を制す。中国で開催されたWGC HSBCチャンピオンズでは何と2位に7打差をつける通算23アンダーで優勝し、アジア人初の世界ゴルフ選手権制覇を成し遂げた。世界ランクは6位にまで上げている。

 

 この勢いは止まらない。

 11月の三井住友VISA太平洋マスターズは圧巻だった。初日からトップを譲ることなく、大会新となる通算23アンダーで完全優勝。乗りに乗った状態で決戦の地メルボルンに向かうことになる。

 

 一方の石川は前回大会に谷原秀人と出場。日本は3位タイの好成績を収めた。

 2月に腰椎を痛めて出遅れたものの、8月のKBCオーガスタでは初日から首位に立ち、通算15アンダーで完全優勝を果たしている。続くフジサンケイクラシックは2位、ANAオープンは3位と安定。松山が優勝した日本オープンは通算3オーバーで7位だった。米ツアーに復帰してからの成績は10位(CIMBクラシック)、予選落ち(シュライナーズホスピタルforチルドレンオープン)、50位(OHLクラシックatマヤコバ)と今ひとつではあるが、ワールドカップの経験値を持っていることは大きい。

 

 日本代表を待ち受ける強敵たち

 

 日本のスターコンビを待ち受けているのが、世界の強豪たちである。

 地元開催で2連覇を狙うオーストラリアは前回、個人戦でも優勝した世界ランク1位のデイがケガのために出場を辞退。デイとともに優勝した同7位のスコットは12年のトラベラーズ選手権で米ツアーに初勝利し、同53位のマーク・レイシュマンを指名した。レイシュマンは石川も出場したメキシコでのOHLクラシックatマヤコバでは24位だった。デイの欠場がどう響くか、レイシュマンの活躍がカギを握ることになる。

 

 覇権奪回を目指す米国は2月のフェニックスオープンで松山と死闘を演じた世界ランク12位のファウラーと同19位のジミー・ウォーカーがコンビを組む。最終日は必ず出身大学のスクールカラーのオレンジを身にまとうという若手の人気者ファウラーは10月のライダーカップ(米国選抜対欧州選抜)で4大会ぶりとなる優勝にも貢献している。

 

ファウラーの相棒となるのがウォーカー。今年の全米プロゴルフ選手権では通算14アンダーでデイを振り切り、メジャー挑戦18戦目にして初制覇を成し遂げている。ファウラーと同様にライダーカップ出場メンバーだ。

 

欧州に目を移すとイングランドは5月、ホーム開催となったBMW PGA選手権を制し、ツアー3勝目をマークしたクリス・ウッドが出場。ワールドカップ期間中に29歳の誕生日を迎える彼のパートナーとなるのが、同学年のアンディ・サリバンである。世界ランクは40位。10月のポルトガルマスターズでは首位に1打差の2位だった。2人もライダーカップに出場しており、敗れた米国へのリベンジを狙う。

 

出場予定選手のなかで世界ランク最上位は松山となる。盟友とのコンビで14年ぶりの優勝なるか――。

 

161121golf2【放送スケジュール】ゴルフネットワークにて全ラウンド独占生中継

 

<ISPSハンダ ゴルフワールドカップ>

1日目:11月24日(木)10:00~15:00(生中継)

2日目:11月25日(金)10:00~15:00(生中継)

3日目:11月26日(土)10:00~15:00(生中継)

最終日:11月27日(日)10:00~15:00(生中継)

1、2日目の最大延長は16:30まで。3日目、最終日の最大延長は19:00まで

 

※このコーナーではスカパー!の数多くのスポーツコンテンツの中から、二宮清純が定期的にオススメをナビゲート。ならではの“見方”で、スポーツをより楽しみたい皆さんの“味方”になります。


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