ゴルフ人口は1992年の1480万人をピークに減少傾向にある。昨年は760万人と、ピーク時の約半分にまで落ち込んだ。

 

 

 とりわけ若い世代のゴルフ離れが顕著だ。ゴルフ人口の約半数が60代以上。オヤジと言って悪ければシニアのスポーツと化している。

 

 ゴルフ場に行くには車がいる。しかし最近は、車を所有しない若者が増えている。

 

 スポーツが嫌いになったのか、と言えばそうではなく、ジョギングやフットサルなどカネもかからず、手軽に行えるスポーツに人気が集まり始めている。

 

 そんな折、日本サッカー協会最高顧問の川淵三郎とゴルフについて話す機会があった。川淵といえば、年に50回はコースに出るほどの“ゴルフ狂”で『ゴルフは65歳から面白くなる』なる本も出版している。

 

 12月3日で80歳になる川淵だが、そのスイングの速さには驚いた。ドライバーで250ヤード飛ばすというのもうなずける。

 

「元気の秘訣は?」と聞くと、ツマ先立ちだと答えた。朝起きると、ツマ先立ちを150回行うのだという。

 

 老いは下半身からやってくる。このトレーニングを始める前は、さしもの川淵も、ズボンをはく際に、よろけることがあった。これではいけないと思い、ツマ先立ちを始めたところ、下半身が安定し、ショットにも乱れがなくなってきたという。

 

「本当はサッカーよりゴルフの方が好きなのでは?」

 

 と突っ込みを入れると、大笑いしていた。

 

 サッカーのプロ化、男子バスケットボールリーグの統合など、数々の難事業をやりとげた川淵にゴルフ税制について聞いてみた。

 

 ゴルフにはゴルフ場利用税という、他の競技にはない独特の課税制度がある。消費税にプラスしてゴルフ場利用税もとなると、二重課税の疑いは免れない。これではゴルフ人口は増えないのではないか?

 

「署名運動までして廃止にしようとしているのに、なかなかなくならない。なぜなら地方自治体がウンと言わないからです。僕もスポーツであるゴルフが課税の対象になっているのはおかしいと思う」

 

 ゴルフ場利用税は、年間500億円。このうちの約7割がゴルフ場が所在する市町村に交付される仕組みになっている。これがなくなれば地方は立ち行かなくなるというのである。

 

 そうは言っても、ゴルフをする人がいなくなれば、元も子もないと思うのだが……。

 

<この原稿は『漫画ゴラク』2016年12月23日号に掲載されたものです>

 


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