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(写真:開幕戦で戦う鹿島・鈴木<左>とFC東京・大久保)

 明治安田生命Jリーグの開幕を約2週間後に控えた13日、都内で「2017Jリーグキックオフカンファレンス」が行われた。J1・J2・J3のクラブの選手、監督が集った。今季からJ1は3年ぶりに1シーズン制に戻る。Jリーグの村井満チェアマンは「2017年から本格的な大競争の時代に入る」と険しい表情で冒頭の挨拶を行った。

 

 1993年に開幕してから今年で25年目を迎えるJリーグ。村井チェアマンは「節目となる年だ」と語り、こう続けた。

 

「Jリーグは世界水準を標榜しているが、このままアジアで勝てない状況が続くとガラパゴス(淘汰)されてしまう危機感がある。このような危機には内なる競争を激していくことが不可欠」

 

 今季から英動画大手パフォームグループと10年総額2100億円の放映権料契約を結んでいる。J1覇者には3年で15.5億円の理念強化配分金が3年に渡り支給される。この巨額資金を巡って、今オフは各クラブが積極的に補強に動いた。

 

世界2位・鹿島VS.大久保補強のFC東京

 

 昨季、クラブワールドカップで準優勝し、アルビレックス新潟からMFレオ・シルバ、ヴィッセル神戸からFWペドロ・ジュニオールが加入した鹿島アントラーズは開幕戦でFC東京と対戦する。FC東京もライバルチームの川崎フロンターレからFW大久保嘉人を獲得するなど、オフの話題となった。

 

 王者・鹿島からはFW鈴木優磨が登壇した。今季から9番を背負う若きストライカーは「追われる立場だが、全力でぶつかっていく。前線に良い選手が揃っている。鹿島の良いところは良い守備から良い攻撃につなげるところ。それをうまくやれれば勝てるのではないか」と語った。FC東京に新加入の大久保については「ゲームを作ることも決めることもできる厄介な選手」と警戒する。

 

 

 一方、FC東京の大久保は「鹿島は安定していて、手堅いチーム。FC東京はメンバーが変わりどういう戦い方になるかわからないですけど(Jリーグ王者に)チャレンジをしていきたい。なかなか難しい試合になるがスタートダッシュが切れるか切れないで大きく違ってくる。開幕までに良い準備をしてぶつかっていきたい」と意気込んだ。

 

 今季からの破格の賞金について質問が飛ぶと、大久保は「選手にどれだけ入るかわからないが、クラブのために(賞金を獲得して)恩返しができれば」と語る。鈴木も「選手にいっぱい入ることを望んでいます(笑)」と両選手で会場の笑いを誘った。

 

「ピッチの上の戦いがクラブの経営の戦いにもなる。(クラブ間の)競争がJリーグを活性化し、もっとレベルがあがる」と賞金効果を村井チェアマンは期待する。今後、連続的に強化配分金を手にするクラブだけが生き残り、弱者は廃れていく。

 

 戦国時代に突入したJ1の幕が、25日に上がる。

 

(文・写真/大木雄貴)