群馬ダイヤモンドペガサスのキャプテン、竹内大地です。高校(東海大相模・神奈川)を卒業後、2010年に同じBCリーグの信濃グランセローズに入団して、群馬には昨季から加わりました。2年目の今季からキャプテンを任されています。あまりチームを引っ張るタイプではないと思っていますが、高校時代は副キャプテン、信濃でもキャプテンだったので、なにかそういう星の下に生まれたんでしょうね(笑)。

 

 目標が明確な群馬の選手

 群馬のチームカラーは独特です。外から見ていたときには、ダラダラというかしまりのないチームに見えていました。でも、中に入ると印象がガラリと変わり、野球に対するスイッチのオンとオフ、その切り替えがはっきりしているチームだな、と。普段の練習でもそうですし、試合中でもメリハリがすごい。「ここだ!」というときには選手全員が集中して攻めるし、守る。非常に意識の高い選手の集団だと思っています。


 どのチームもそうですが、やはりBCリーグは野球が心底好きな選手が多いんですよ。群馬はさらに1人ずつが目標を明確に持っていて、全員がそれに向けて努力しています。当然、NPBを目指している選手もいますし、個々が将来のことをきちんと考えている。それが日々の試合で集中力となっているんでしょうね。

 

 私の将来の夢は、できるだけ長く現役を続けることと、引退後は指導者になって世界に通用する子供達を育てることです。

 

 群馬にはフランシスコ・カラバイヨ、アレックス・トーレスという外国人プレーヤーもいるし、井野口祐介さんのように海外のリーグを経験した選手もいる。そして平野謙監督はNPBで大きな実績を残した名選手です。野球を教わるという面で群馬は最高の環境です。

 

 プレーに関することなど、何でも疑問に思ったことは監督や先輩たちに聞くようにしています。「またか」と言われてもいいから、とにかく聞くスタンスです。26歳になって「若いときにもっと監督や先輩に聞いておけば良かった」と思うこともたくさんあるんですよ。その分を取り返すためにも、そして将来のために野球の引き出しを増やしたいというのもあって、何でも聞きに行きます。それでうちの若い選手には同じ後悔をしてほしくないので、「何でも聞きにこいよ」という雰囲気作りも大事にしています。

 

 後期は緩みのないチーム作りを

 ルーキーながら大橋諒介、富田光孝、笠井聖寿あたりは、グイグイと何でも聞いてくるタイプです。もちろん聞かれたことは何でも答えて、教えてくれと言われれば教えることもあります。ただそこから成長するかどうかは本人次第ですよね。質問に答えるのと同時に若い選手には「アドバイスを聞くのは大事。でも全部を取り入れる必要はない。聞く、試す、それで自分に合わなかったらやらない勇気も必要だぞ」と言っています。何でもかんでも他人のアドバイスを聞いてばかりでは、消化不良を起こして逆に成長できなくなりますからね。

 

 今季、群馬は前期優勝を果たしました。後期もここまで順調に首位を走っています。順調だからこそ、キャプテンとしてチーム全体に「油断」や「緩み」が出ないように気をつけています。「自分たちは強い」と自信を持つことはいいのですが、それが過信になると……。その面ではキャプテンとしてチームの危機管理に目を配っていますね。


 あと群馬は若い選手が多いので長いシーズンを戦う上での気持ちの切り替えの大切さも教えています。トーナメントと違ってシーズン中は大敗することもあれば、連敗することもあります。反省は大事ですけど、それをいつまでも引きずっていたらシーズンは戦えません。

 

 キャプテンという役目は本当に疲れます。1試合終わると本当にぐったりです。自分のことも考えて、チームのことも考えなくちゃいけないので当然ですけど、できるだけ周囲にはそういう雰囲気を悟られないようにしています。こっちが気負うとチームにもそれが伝染しますから。気合いでチームを鼓舞するタイプではないので、あくまで自然体でいつも冷静でいるようにしています。

 

 選手の顔ぶれがシーズン毎に入れ替わるBCリーグは連覇が難しいと言われていますが、群馬は昨季に続いて日本一を狙っています。後期も変わらぬ応援をよろしくお願いします。


<竹内大地(たけうち・だいち)プロフィール>

1991年4月25日、東京都生まれ。東海大相模高の野球部に所属し、09年、3年夏の神奈川県大会では筒香嘉智(横浜DeNA)擁する横浜に敗れてベスト16止まり。10年にBCリーグの信濃グランセローズに入団。好打、堅守のセカンドとして活躍した。16年から群馬ダイヤモンドペガサスに移籍し、今季からキャプテンに就任。身長173センチ、体重77キロ、右投左打。


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