16日、メットライフドームで埼玉西武対福岡ソフトバンク22回戦が行われ、ソフトバンクが7-1で勝利。2年ぶりのリーグ優勝を決めた。工藤公康監督は2度目、球団としては2リーグ分立後18回目(前身含む)のリーグ制覇となった。

 

 マジックナンバー1で敵地に乗り込んだソフトバンクは東浜巨、迎え討つ西武は野上亮磨が先発した。試合は2回に山川穂高に先制ホームランが飛び出し西武が先制したが、ソフトバンクが4回に柳田悠岐の2ランホームランで逆転。5回には今宮健太、柳田、アルフレド・デスパイネのタイムリーで6-1と西武を突き放した。7回にはデスパイネがバックスクリーンにぶち込むダメ押しのソロホームランを放ち、7-1と試合を決めた。先発の東浜は毎回三振を奪う好投で6回9奪三振1失点。7回はリバン・モイネロ、8回は岩嵜翔、そして9回は守護神のデニス・サファテの必勝リレーで締めくくった。

 

 優勝を決めた工藤監督の喜びの声は以下の通り。

 

「リーグ優勝を決めて今はホッとしています。昨シーズン、優勝できず、クライマックスシリーズにも勝てず、そこから優勝だけを目指してやってきました。1ダホー(ワンダホー)というチームスローガンは、V奪還のためにチームがひとつにならないとダメだという思いを込めて決めたものです。それでひとつになってやってきた結果、優勝できました。

 8月に東北楽天とデッドヒートを繰り広げているとき、正直苦しい戦いばかりでした。でも最後には絶対勝つという思いでやってきました。途中、主力選手にケガもありましたが、そういうときにはベンチのメンバーが結果を出してくれたし、試合に出ないときでも常に代打、代走に備えての準備をしていた。そうしてひとつになった結果、優勝できたと思っています。この後、クライマックス、そして日本シリーズ、目標は日本一奪還しかありません。応援よろしくお願いいたします」

 

 開幕前、下馬評の高かったソフトバンクだが、序盤は東北楽天の躍進が目立った。2番にカルロス・ペゲーロを据え"超攻撃型"と呼ばれた打線が爆発。開幕のオリックス3連戦を3連勝して勢いに乗り3月4月を16勝5敗と勝ち越した。一方のソフトバンクは14勝12敗で4位。一時は首位・楽天に最大5ゲーム差をつけられていた。

 

 その後、セ・パ交流戦で12勝6敗、3年連続で最高勝率チームに輝いたソフトバンクは2位まで浮上。7月は月初から6連勝と波に乗り、楽天を射程内の1.5ゲーム差に捉えて前半戦を終了した。

 

 オールスター明けも5連勝、4連勝と大型連勝をマークしたソフトバンクだが、主軸の内川聖一が左手骨折で戦線を離脱。振り返れば今季は主力選手に負傷などが目立ったシーズンだった。開幕前にベネズエラ代表としてWBCに出場したロベルト・スアレスが右肘を痛め、その後、トミー・ジョン手術を受けて今季絶望。途中、武田翔太、千賀滉大、五十嵐亮太らも故障でマウンドから遠ざかった。

 

 だがソフトバンクの誇る厚い選手層がそれをカバー。内川の穴は明石健志が埋め、投手陣では育成出身の石川柊太、モイネロが頭角を現し、特に石川は中継ぎ、先発と大車輪の活躍を見せた。

 

 8月に入りほぼ日替わりで首位が入れ替わる中、楽天を3タテするなど8連勝をマークしたソフトバンクが一気にスパートした。一方の楽天は6連敗と引き分けを挟む10連敗をを喫するなど大失速。8月31日、西武に2位の座を譲り、4年ぶりリーグ優勝の夢は潰えた。

 

 9月1日、楽天を2-0で下したソフトバンクにマジックナンバー16が点灯。そこから白星を重ねてマジックを減らしたソフトバンクが、この日、2年ぶりのリーグ優勝を決めた。パ・リーグのクライマックスシリーズはファーストステージが10月14日から、ファイナルステージは18日から始まる。