(写真:「愛媛県のみならず我が国のスポーツの振興に多大な功績を残した」と特別表彰を受けた大亀会長)

 先月10日、大成功のうちに開催を終えた「愛顔(えがお)つなぐえひめ国体」。既報のとおり愛媛県勢は各競技で大活躍を見せて、天皇杯・皇后杯ともに2位という過去最高の成績を収めた。また国体開催にあたって、お遍路さんの「おもてなし文化」を取り入れた県民総出のサポート体制などは、他県選手にも好評を得た。


 この地元国体開催に尽力し、さらに各種支援活動、各競技の強化のためのバックアップなどの活動が評価され、愛媛県体育協会の大亀孝裕会長に日本体育協会から「特別表彰」が授与された。日体協によると、総合的な功労を認めての特別表彰授与は初めてのことだという。

 

 今回、DAIKI倶楽部では特別表彰を受賞した大亀会長にその喜びと、大成功に終わった地元国体について話をうかがった。

 

--特別表彰の受賞、そして地元国体の成功おめでとうございます。まず天皇杯2位という過去最高の成績を残した愛媛県。躍進の要因はどこにあると感じていますか?
「ありがとうございます。今回の天皇杯2位という成績は愛媛県そして市町はじめ県体協などの関係機関を中心とした支援体制の下で、各競技団体がそれぞれの目標を立て、指導者・選手が一丸となって取り組んだ結果だと思っています」

 

(写真:記念祝賀会には県知事など約160名が出席した)

--各競技の強化など、えひめ国体が愛媛県のスポーツの躍進、発展にどのように貢献したのでしょうか?
「天皇杯を制した東京都には惜しくも及びませんでしたが、愛媛県は天皇杯、皇后杯ともに2位という過去最高の成績を収めることできました。これによって県民の皆さんの多くが、選手の素晴らしい活躍に感動したものと思っています。えひめ国体によってスポーツの持つ魅力や意義を改めて実感することができたのではないでしょうか」

 

--えひめ国体の開催内定から今年の本大会の開催まで、長期にわたり強化や準備など苦労したこともあったのでは?
「地元での国体開催が決まった後、平成17年に、県体協でいち早くひめっこ募金(後のみきゃん募金)を立ち上げ、800以上の企業・団体・個人の方から多額の寄付がありました。その総額は10億円以上というもので、大変感謝しております。
 また、県内のアスリートのために、社会人スポーツ推進協議会を設立したり、県外からの選手を温かく見守り、応援するえひめママ制度を作り、多くの皆さんに積極的に活動いただきました。そうした県民皆さんの支援があっての地元国体成功だったと思っています」

 

--大亀会長は体協とともにダイキグループ代表として同グループ弓道部、ボート部のサポートも実施しています。弓道部は代表選手の山内絵里加選手、玉木里奈選手が地元開催の重圧の中、精一杯に頑張りました。またボート部の武田大作選手も代表として参加しました。
「弓道部は地元国体で結果を残せなかったのは残念ですが、その悔しい気持ちをバネに今後につなげてほしいと思っています。また、武田選手も自身の成績は本意でなかったでしょうが、愛媛県ボート協会の強化部長として成果を挙げて、本県の躍進の原動力になったことは素晴らしいと思います」

 

--最後に、えひめ国体が終了し、今後の愛媛県のスポーツ振興・強化の目標は?
「えひめ国体を契機にして、それぞれの地域で実施された競技スポーツの振興に取り組んでいくことになります。それぞれの特色を生かした"一町一技"、"一校一技"の実現を目指したいですね」

 

(写真:大亀会長に贈られた表彰状。日本体育協会106年の歴史の中で、特別表彰は初めてのこと)

 我が町、我が校にひとつ特技を--。という理念の"一町一技"、"一校一技"の実現にあたっては、山岳競技(クライミング)の会場となった西条市・石鎚クライミングパークSAIJOなど、国体で使用された競技施設がその一助を担うことになる。地元国体は終了したが来年の福井国体、そして2020年の東京オリンピックに向けて、愛媛県のスポーツ振興と強化は留まることがない。大亀会長はまだまだその先頭に立ち、牽引役を務めることになる。


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