野球の裾野を広げるのも四国ILの役割

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 四国アイランドリーグplusは合同トライアウト、ドラフト会議を終えて、来季に向け、チーム編成もほぼ固まってきました。香川オリーブガイナーズは、昨オフに高卒を含めて若い選手を多く獲得したので、彼らをもう1、2年育てて底上げを図るというチーム方針です。ドラフトでは以下の5選手の交渉権を得ました。

 

◆香川OG指名選手
1位・森崎友星(投手/右投右打/1998.2.10生/175センチ・75キロ/高松中央高~アークバリア硬式野球部)
2位・又吉亮文(投手/右投左打/1995.11.20生/174センチ・70キロ/浦添高~環太平洋大)
3位・畝章真(投手/右投右打/1995.9.9生/175センチ・72キロ/広島新庄高~名古屋商科大)
4位・宋皞均(そん ほきゅん/外野手/右投右打/1995.5.31生/180センチ・85キロ/明徳義塾高~日本大)
入札抽選枠・笠原優弥(外野手/右投右打/1995.11.13生/184センチ・80キロ/滑川総合高~大東文化大~米Throughbred Baseball League)

 

 地元・香川県出身の森崎を筆頭に戦力として期待できる選手ばかりです。野球の能力については心配していませんが、アイランドリーグで成長し、そしてNPBにまで辿り着くためには、まずは環境適応力も必要になってくるでしょうね。

 

 アイランドリーグに限らず独立リーグに入団した選手はこれまでとは違う環境に戸惑うのが普通です。プロとはいえ独立リーグですから自由に使えるお金も限られるし、慣れない一人暮らしをスタートする選手もいるでしょう。当然、練習環境は整っていない部分もあります。想像していた以上につらい環境だと面食らうかもしれません。でもそういう中で野球人としてはもちろん、社会人としての成長も求められる。それが独立リーグという場所だと思っています。

 

 またアイランドリーグでプレーすることでファンの方の声援、スポンサーのサポートなどを通して、「野球をさせてもらっている」という、今まで気が付かなかったことを実感すると思います。ここは野球人としてはもちろんのこと、社会人として成長できる場でもあるんです。

 

 新人選手は早く環境に慣れ、そしてチームに慣れてほしいですね。年が明けたら2月、3月はキャンプやトレーニングで体をつくり、4月、5月の前期シーズンは連戦が当たり前で、後期に向けてのインターバルではまたトレーニングをして、そして後期も試合、試合、試合……。この繰り返しの先に手応えを感じて成長を実感できたとき、次のステップへ進めるでしょう。

 

 選手の夢を支えたい

 徳島インディゴソックスの伊藤翔は高卒1年目でNPBの支配下指名を勝ち取りました。こういう選手がいる一方で、アイランドリーグで何年ももまれて育成を経て支配下になった篠原慎平(IL愛媛・香川~巨人)のような選手もいます。アイランドリーグに来る選手は夢を持っていると同時に、野球が諦められない選手ばかりです。アイランドリーグで過ごす中で、NPB球団のニーズに合えば指名されることになります。実力は当然必要ですが、運やタイミングにも左右される部分もある。そういう意味では香川・原田宥希は、来季に期待しています。今季はチームために大車輪の活躍でしたがNPBのドラフト指名はなし。ただ監督として見ていて、彼は年々レベルアップしています。来季、24歳とまだ若いのでシーズンでの活躍とドラフトでの指名を勝ち取ってもらいたいですね。

 

 振り返ればアイランドリーグは13年続いてきて、BCリーグという独立リーグ同士、横のつながりもできました。NPBに進むだけでなく、環境を変えるためにBCに行くという選択肢も増え、また選手を続けるだけでなく、アイランドリーグを辞めた後に指導者になっているOBもいます。13年前、アイランドリーグがここまで続くとは誰も思っていなかったように、この先10年後もどうなっているかわかりません。

 

 アイランドリーグは野球の裾野を広げる役割を担っています。NPBに進むという夢はもちろん、アイランドリーグでタイトルをとったり、アマ時代は成し遂げられなかったことをここで叶えるという夢があってもいい。我々は選手たちのそういう夢をサポートする立場として、これからもアイランドリーグを盛り上げていきたいですね。

 

 さて今季の更新はこれが最後になります。次は18年2月1日にお目にかかります。これからも変わらぬ応援をよろしくお願いいたします。

 

<このコーナーは毎月1日更新です。18年1月1日は休載。18年2月1日から再開します>

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