日本時間17日、クラブワールドカップ(CWC)決勝がUAE・アブダビで行われ、欧州王者レアル・マドリード(スペイン)が南米覇者グレミオ(ブラジル)を1対0で勝利した。後半8分にFWクリスティアーノ・ロナウドがFKを直接決めた。レアルは大会初となる2連覇、最多タイとなる3度目の優勝を果たした。決勝戦前に行われた3位決定戦はFW本田圭佑所属の北中米覇者のパチューカ(メキシコ)が開催国王者のアルジャジーラ(UAE)を4対1で下した。本田に出番は訪れなかった。

 

 グレミオ、わずかシュート1本に終わる(アブダビ)

レアル・マドリード 1-0 グレミオ

【得点】

[レ] クリスティアーノ・ロナウド(53分)

 

 戦前の予想通り、ボールを保持するレアルと耐えるグレミオの展開だった。しかし、前半はレアルが必ずしもペースを握っていたわけではない。シュート9本を打ったものの、決定的なチャンスはそれほど作れなかった。

 

 20分、MFルカ・モドリッチが左サイドからクロスを供給。これはグレミオのDFペドロ・ジェロメウがヘディングで跳ね返すが、こぼれ球をDFダニエル・カルバハルが右足でボレーを放つ。24分にはDFマルセロからパスを受けたモドリッチが1人かわしてペナルティーアーク付近で左足を振り抜いた。いずれもゴールには至らなかったものの、レアルが押し気味に試合を進める。

 

 対するグレミオは28分、ゴールから35メートル、正面の位置でFKを得る。キッカーのDFエジウソンが右足アウトサイドにかけた強烈なシュートで直接狙ったが、ボールはわずかにバーの上に外れた。グレミオが放ったシュートはこの1本のみだった。

 

 後半に入るとレアル・マドリードが試合の流れを掴んだ。

 

 8分、ロナウドがペナルティーエリア外の左で倒されて得たFKを自らセット。得意の右足を振り抜くとボールはグレミオの壁の間をすり抜けて、ワンバウンドし、ゴール左に決まった。レアルはエースがきっちりと期待に応えた。一方、グレミオにとっては4枚で作った壁の間を抜かれるミスが悔やまれる失点だった。

 

 レアルは5分後に再びチャンスを作った。左サイドでマルセロがクロスを送る。それをDFラインの裏に飛び出しボールを呼び込んだFWカリム・ベンゼマはヘッドでロナウドに落とす。背番号7は右足ボレーで合わせ、ゴールネットを揺らした。だが、これはベンゼマのオフサイドを取られ、ノーゴールとなった。

 

 20分にはモドリッチがドリブルで持ち上がりペナルティーエリアの外から右足でミドルを放つ。シュートは相手GKに触られ、左ポストを直撃。惜しくもリードを広げられなかった。

 

 得点を奪うしかないグレミオだったが、レアルからなかなかボールを奪えず攻め手に人数をかけられない。苦しい展開のまま、ゴールネットを揺らすことなく試合終了。レアルが大会初となる2連覇、最多タイの3度目のクラブ世界一に輝いた。

 

 来年のCWCも今年と同じくUAE開催。今回は日本からは浦和レッズがアジア王者として参加したが5位に終わった。昨年の鹿島アントラーズのようにJリーグクラブが決勝の舞台に駒を進め、堂々と渡り合う姿を見たいものだ。

 

(文/大木雄貴)