8月10日(土)

◇1回戦
 サヨナラ勝ちで死闘を制す
浦和学院(埼玉)   10 = 108100000
仙台育英(宮城)   11 = 600004001×

 注目されたこの一戦は、両者ともに一歩も譲らない死闘となった。1回裏、センバツ優勝投手の小島和哉(2年)の制球が定まらない。この回、なんと5四死球で3点を失う。さらに同じピッチャーの9番・鈴木天斗(3年)に2点タイムリーを打たれた。3回表、今度は浦和学院打線が鈴木をとらえる。打者13人の猛攻で一挙8得点を叩き出し、流れを引き寄せる。一方、2回以降、小島からヒットを打てずにいた仙台育英だったが、6回表に再び小島をとらえ、4点を奪って同点とした。8回裏、仙台育英はヒットと四死球で無死満塁と絶好のチャンスをつかんだ。ところが、小島の前に3者連続三振に倒れてしまう。その小島にアクシデントが起こったのは9回裏。猛暑の中、180球以上を投げてきた小島が1死を取った後、左足を気にするしぐさをし始める。なんとか2死を取ったものの、9番・小野寺俊之介(3年)にヒットを打たれる。ここで浦和学院の森士監督は山口瑠偉(3年)にスイッチした。打席にはこの日3安打と当たっている1番・熊谷敬宥(3年)。熊谷はフルカウントからの7球目、高めに浮いた直球をレフトへ運んだ。一塁ランナーが一気にホームへ返り、仙台育英がサヨナラで3時間の熱戦に終止符を打った。春夏連覇を狙った浦和学院は、初戦で姿を消した。
 集中打で大勝し、夏33年ぶりの勝利
星陵(石川)   5 = 000001004
鳴門(徳島)   12 = 00001083×

 中盤まで投手戦だったこの試合、終盤に自慢の猛打をふるった鳴門が大勝した。ハイライトは1−1で迎えた7回裏。四球、相手エラーと無安打で1死満塁のチャンスを得た鳴門は、2番・甲本裕次郎(3年)が右中間を破る走者一掃のタイムリー三塁打を放ち、3点のリードを奪う。さらに2死後には怒涛の3連打で満塁とすると、ここで7番・松本高徳(3年)が勝負を決定づける満塁弾を放った。鳴門は8回裏にも3点を追加し、その差を11点に広げた。星陵は最終回にキャプテンの1番・北村拓己(3年)の意地の一発などで4点を返したが、時すでに遅し。鳴門が33年ぶりの勝利を挙げ、2回戦に進出した。

 15安打の猛攻で3年連続初戦突破
作新学院(栃木)   17 = 203104106
桜井(奈良)       5 = 000300002
【本塁打】
(桜)木下

 最後まで手を緩めることなく、猛攻を見せた作新学院が15安打17得点で大勝した。初回にタイムリーと相手エラーで2点をリードした作新学院は、3回表には7番・川上修吾(2年)の2点タイムリーなどで3点を追加。4回表にも1点を挙げる。一方、3回まで1安打に抑えられていた桜井だったが、5回裏、5番・木下恭仁(3年)の3ランで、その差を3点とした。しかし、作新学院打線の勢いはとまらなかった。6回表、1死二、三塁から3者連続のタイムリーで4点を追加し、再び引き離す。9回表には打者11人の猛攻で一挙6得点。桜井もその裏に2点を返して意地を見せたが、初出場初勝利には至らなかった。作新学院は3年連続で初戦突破を果たした。

 得意の小技で接戦を制す
帯広大谷(北北海道)   3 = 010001001
福井商            4 = 201010000
【本塁打】
(帯)亀井

 県大会で敦賀気比、春江工と今春の選抜出場校を破って2年ぶりの夏出場を決めた福井商が、小技を絡めた見事な攻撃で接戦を制した。1−1で迎えた6回表、帯広大谷は2回裏に同点打を放った7番・角雄平(3年)のタイムリーで勝ち越す。しかし8回裏、福井商は無死一、三塁のチャンスにスクイズを決めて同点とすると、1死一、三塁からまたもスクイズで勝ち越した。さらにこの回1点を追加した福井商が2点のリードを奪った。だが、帯広大谷も最後まで粘りを見せる。9回表、6番・亀井紳之介(3年)が一発を放ち、1点差に迫る。さらに続く角もヒットで出塁するも、8番・工藤聖太(3年)のバントした打球がピッチャーの真正面へ。1−6−3のダブルプレーとなる。最後は代打・池田圭佑(3年)が見逃し三振に倒れ、ゲームセット。帯広大谷は初勝利を挙げることができなかった。接戦を制した福井商は3年ぶりに2回戦に駒を進めた。