2018年の最大のスポーツイベントと言えば6月からロシアで開催されるサッカーW杯だろう。

 

 

 既に組み分け抽選も終わり、日本(FIFAランキング56位)は、コロンビア(同13位)、セネガル(同24位)、ポーランド(同7位)と同じグループHに入った。どの国も日本より格上であることは間違いない。

 

 しかし、逆立ちしても勝てない、という相手はいない。その意味では戦い方次第で決勝トーナメントに進出できる「可能性のあるグループ」(日本サッカー協会幹部)に入ったと見ていいだろう。

 

 気の毒なのは、お隣の韓国(同59位)だ。グループFは他にドイツ(同1位)、メキシコ(同17位)、スウェーデン(同18位)。ここを勝ち上がるのは至難の業だ。

 

 日本に話を戻そう。日本は98年フランス大会、02年日韓大会、06年ドイツ大会、10年南アフリカ大会、14年ブラジル大会と過去、5回W杯に出場している。

 

 決勝トーナメントに進出したのは日韓、南アフリカの2大会だが、いずれも初戦で勝ち点を得ている。つまり、決勝トーナメント進出のカギを握るのは初戦のコロンビア戦ということになる。

 

 しかし、日本は南米勢に分が悪い。これまでのW杯では98年のアルゼンチン戦(0対1)、06年のブラジル戦(1対4)、10年パラグアイ戦(0対0、PKで決勝トーナメント1回戦敗退)、14年のコロンビア戦(1対4)と4回戦っているが、一度も勝ったことがないのだ。上位進出を狙うには、越えなくてはならない高い壁である。

 

 前回、格の違いを嫌というほど見せつけられたコロンビアに対し、日本はどう戦うのか。

「油断してくれるのを待つしかありません」

 

 こう語ったのは、元日本代表FWの福田正博だ。

「コロンビアは初戦にベストコンディションでは来ないはずなんです。それにコロンビアは日本をなめていますよ。そこが狙い目」

 

 W杯で上位進出を狙う強国は初戦からフルスロットルの状態では入らない。ソロリと進水し、徐々にペースを上げていく。翻ってW杯で実績のないアウトサイダーは初戦を取らなければ勢いには乗れない。スタートダッシュが全てなのだ。

 

 日本が格上のコロンビアに勝つとすれば、彼らがまだ眠っているうちに叩くしかない。立ち上がりの奇襲という選択肢があってもいい。指揮官はどんな手を打つのか……。

 

<この原稿は『漫画ゴラク』2018年1月26日号を一部再構成したものです>

 


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