(写真:名古屋、長崎、湘南の”昇格組”はJ1で旋風を巻き起こせるかにも注目だ)

 明治安田生命Jリーグの開幕を約1週間後に控えた15日、都内で「2018Jリーグキックオフカンファレンス」が行われた。J1・J2・J3のクラブの選手、監督が集った。今季から「フライデーナイトJリーグ」と称し、J1の数試合が金曜日に開催される予定だ。また、J2横浜FC所属のFW三浦知良が「リーグ戦でゴールを決めた最年長のプロサッカー選手」としてギネス世界記録に認定された。対象ゴールは50歳14日で決めた昨年のJ2第3節、ザスパクサツ群馬戦の得点である。

 

 キックオフカンファレンスは2部制で行われた。第1部では村井満チェアマンが今季の抱負を述べ、第2部ではJリーグ54クラブの代表選手と監督が集った。

 

 昨季、J1復帰1年目でルヴァンカップと天皇杯の2冠を制したセレッソ大阪。今季から主将に復帰したMF山口蛍はチームが勝ち切れるようになった要因を語った。

 

「試合の最後でも全員の運動量が落ちないのは、今のセレッソの強みだと思います。必ずどのチームも試合の最後には落ちる中で、自分たちは走ってゴールを目指せるのは大きいです。攻撃だけでなく、守備に関しても、最後の最後まで運動量が落ちないからピンチの時も戻って来られるし、体を張れている。そういうところを厳しく(ユン・ジョンファン監督に)叩き込んでもらったから、今の自分たちがあるんじゃないかなと思います」

 

 C大阪は好不調の波が激しいクラブだ。2ステージ制だった2000年のシーズン、ファーストステージで優勝争いを演じたものの、翌年は大不振に陥りJ2降格の憂き目に遭った。安定した成績を残せてこそ本当に変わったといえる。今季のC大阪の戦いぶりに注目だ。

 

 同じ大阪をホームとするガンバ大阪は新監督としてレヴィー・クルピを招聘した。クルピはかつて、ライバルのC大阪でも指揮を執った経歴がある。このブラジル人指揮官は若手の育成と選手のコンバートに長けている。かつて、ボランチだった香川真司(現ドルトムント)を1.5列目にコンバートして才能を開花させた成功体験がある。

 

 今回、クルピはベテランMF遠藤保仁をボランチではなく1.5列目でテストしている。クルピはその理由を説明している。

「ゲームメーカー的な役割を期待している。フィニッシュの精度で良いものをもっていますが、よりアシストで力を発揮できる選手だと思うので少し前でボールを捌く仕事をやってもらいたい。これはまだ見極めの段階なので実際の公式戦でどうなのか見てみたい」

 

 一方、起用されている遠藤はどう考えているのか。

「基本的に自由にやっています。もちろん、前で使われる時はフィニッシュの意識も高くなるでしょうし、後ろにいたら後ろにいる役割もある。チームがうまくボールを回しながら自分も得点を取っていければいいなと思います」

 

 昨季、G大阪は堅守速攻をベースに戦ったがリーグ10位と振るわなかった。今季は攻撃的なサッカーへとシフトを目指す。その中心には背番号7がいる。

 

(写真:ギネス認定証を手にした三浦知良)

 また、2部の終わりにはカズこと三浦知良のギネス入りが発表された。「リーグ戦でゴールを決めた最年長のプロサッカー選手」として認定されたのだ。今月26日で51歳になるベテランFWはこの名誉を喜んだ。

「ギネスに認定されることは意識していなかった。そこに自分の名前、得点が載るなんて考えていなかった。非常に光栄です」

 

 もし、50歳14日の最年長ゴール記録を塗り替えるとすれば、それはカズ自身である。「まずは来週がJ2の開幕なので、1試合1試合、目の前の試合でゴールをあげることが目標。そこで新たな記録が生まれればいいなと思います」

 

 C大阪のリーグ初制覇、G大阪の復活、そしてカズの最年長ゴールの記録更新と今季のJリーグは、目が離せない。

 

(文・写真/大木雄貴)