「旅のお供はチューブ」
僕は、どこへ行く時も鞄にチューブを忍ばせている。
このチューブを使って全身の筋肉を鍛えているのである。
チューブトレーニングを知ったのは、プロレスファンだった小学生の頃。
外国人レスラーがチューブを使って鍛える姿を専門誌で見て、大きな衝撃を受けたのだった。
「チューブを使うとあんな凄い体になれるのっ!」
おそらく試合前の控え室で、アップをしていた写真だったと思われるが、僕の中でチューブ最強説が急浮上した瞬間であった。
その写真を見てから、バーバルやダンベルなど重いものを持ち上げるより、筋肉がつくと勝手に思い込んでしまったのである。まだ筋トレの知識もない子どもだったこともあり、こんな間違いをしてしまったのだ。
しかし、ダンベルなどのフリーウエイトに対し、筋量を増やす点では敵わないものの、チューブトレーニングには優れた面がたくさんある。
短時間で全身の筋肉をパンプアップさせることができるうえ、何よりも関節に安心安全なのだ。
40代のオッサンの僕にとって、ここは特に重要だ。
どうしても関節にガタがきてしまう年齢なので、重いダンベルだと負担が掛かり過ぎて困るのだ。その点、チューブは体に優しいのである。
トレーニングでケガをしてしまっては本末転倒。せっかく鍛えているのにケガをしてはその意味を成さない。
その点で言えばチューブトレーニングは、初心者や高齢者にオススメだ。
僕は自身のリハビリ時にも取り入れていたので、胸を張って安全だと言い切れる。
チューブは、軽くて場所を取らないので持ち運びに便利なところも利点である。
旅が多い僕にとって、この点が一番重宝する。
今月も大阪や九州、名古屋へとイベントの旅が続いたが、チューブのお陰でトレーニングをサボることはなかった。狭い空間でもやれるので、キャンピングカーの中でも行なっている。長時間、車の運転をしていると肩が凝ったり、足腰の筋肉が固まってしまう。
そんな時、サービスエリアにキャンピングカーを駐車させて、チューブを使って体を動かすのである。
あっという間に血流が良くなり、前述の悩みを解消してくれるのだ。
僕はキャンピングカーをイベントでの控え室としても使っているので、出番前に筋肉を効率よくパンプアップさせることができるチューブの存在にいつも助けられている。
「飽きずに良くやるね」
相棒であるクワガタ忍者(息子)に笑われるほど僕は所かまわずチューブを握っている。
そのやり方は、工夫次第で無限だから面白いのだ。
「肩の後ろの部位が、めっちゃ効くやり方を発見したよ」
僕は、苦笑いされるのを覚悟で息子に報告する。
筋肉に繊細にアプローチできるところがチューブトレーニングの最大の魅力かもしれない。
動かす角度を微妙に変えることができるところはチューブならではだ。
しかし、何事もバランス!
チューブトレーニングの一点張りではなく、いいとこどりでフリーウエイトや自重トレーニングを加えていくべきだろう。
筋肉を発達させるには、常に新しい刺激が必要であるため、様々なトレーニングを取り入れた方が効率が良いからだ。
トレーニング方法や内容は、年齢やその時の体力と共に変えていき、常にベストを探っていくべきだと思う。
一番大切なのは無理し過ぎないで楽しむこと。
これがトレーニングを長続きしていくための秘訣だと思う。
遊び感覚でやれるチューブトレは、最高のトレーニングパートナーになるはずだ。
「さあ、夏に向けて今から頑張って体を鍛えましょう!」
(このコーナーは毎月第4金曜日に更新します)
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