15日、サッカーロシアW杯のグループA第1節がエカテリンブルクで行われた。ウルグアイ代表がエジプト代表を1対0で下した。ウルグアイは幾度もチャンスをつくるが、ゴールを奪えない。後半44分にセットプレーからDFホセ・ヒメネスが決めた。ウルグアイは僅差で勝利し、勝ち点3を手にした。

 

 強力2トップ不発も守備陣が奮闘(エカテリンブルク)

エジプト 0-1 ウルグアイ

【得点】

[ウ] ホセ・ヒメネス(89分)

 

 開催国ロシアのゴールラッシュで幕を開けた21回目のW杯。今大会2試合目はゴールが遠かった。

 

 共に強力なストライカーを擁するウルグアイとエジプト。ウルグアイはスアレス、カバーニがスターティングメンバーに名を連ねた。一方のエジプトは肩の負傷によるコンディションが心配されたFWモハメド・サラーがベンチスタートとなった。出場すればW杯最年長出場記録を更新する45歳の守護神エサル・エル・ハダリもベンチ。代表キャップ数がわずか3のモハメド・エル・シェナウィがゴールマウスを任された。

 

 前半から押し気味に進めたのはウルグアイ。8分にカバーニがミドルシュートを放つと、14分にはスアレスが右からのクロスを右足で合わせた。いずれもゴールにはならなかったが、ウルグアイの強力2トップが序盤から猛威を振るった。

 

 24分、ウルグアイに最初の決定機が訪れる。右CKからMFジョルジアン・デ・アラスカエタがゴールから逃げていくボールを蹴ると、ファーサイドにボールがこぼれる。チャンスが巡ってきたのはスアレス。フリーで合わせたシュートがサイドネットを揺らしたものの、これはゴールの外だった。

 

 ウルグアイはその後も攻め続けるもゴールを割れない。前半でスアレスが3本、カバーニが2本シュートを放ったが、均衡を崩すことはできなかった。対するエジプトはチーム全体でシュート2本。守る時間が長く、よく耐えたとも言える。

 

 後半開始早々、ウルグアイに再び決定機。今度は2トップのコンビネーションで崩す。スアレスがDFラインの裏へ走り込むと、カバーニがスルーパスを送る。抜け出したスアレスがシュートを放った。しかし、ここはエル・シェナウィが足でセーブ。劣勢のエジプトが耐える時間が続いた。

 

 なかなか得点を奪えず、スアレスが苛立つシーンも目立った。ウルグアイのオスカル・タバレス監督は流れを変えようと、13分にMFカルロス・サンチェス、14分にクリスティアン・ロドリゲスを立て続けに投入。中盤の選手2枚を入れ替えた。

 

 28分、ロドリゲス、カバーニと繋いで最後はスアレスが抜け出す。スアレスはドリブルでGKをかわそうとするも、エル・シェナウィにキャッチされてしまう。代表通算51得点を超えるウルグアイのエースが、何度も訪れる絶好機をモノにできない。

 

 今度はカバーニ。38分、スアレスが頭で落としたボールを、強烈なボレーで叩き込む。ここはエル・シェナウィに両手でかき出された。43分にはスアレスが倒されて得たFKで直接狙う。ゴールまで約25mの位置から放たれたカバーニのシュートはポスト直撃。これにはカバーニも思わず首を横に振った。

 

 強力2トップを擁しながら、ゴールが遠いウルグアイ。このままスコアレスドロー濃厚と思われた44分、ついに試合が動いた。右サイドのFKからサンチェスがクロスを放り込むと、ヒメネスが頭で合わせた。シュートはゴール右に突き刺さる。喉から手が出るほど欲しかった歓喜の瞬間、殊勲のヒメネスの元にウルグアイの選手たちが祝福の輪をつくった。

 

 試合はそのままのスコアでタイムアップ。ウルグアイが苦しみながらも勝ち点3を掴み、白星スタートを切った。3大会連続決勝トーナメント進出へ好発進。2トップのゴールこそなかったが、キャプテンのDFディエゴ・ゴディンを中心に堅い守備が光った。敗れたエジプトは守護神エル・シェナウィが奮闘したものの、強豪相手にあと一歩及ばなかった。

 

(文/杉浦泰介)