15日、東京で開催されるJA全農世界卓球団体選手権(4月28日開幕)の1次リーグの組み分けを決めるオフィシャルドローがテレビ東京のスタジオで行われた。女子のチャンピオンシップ・ディビジョンは、2012年ロンドン五輪団体銀メダルの日本(世界ランキング2位)のB組には台湾(同7位)、ハンガリー(同10位)、ベラルーシ(同17位)、オーストラリア(同54位)が入った。一方の男子は、世界卓球3大会連続銅メダルの日本(世界ランキング3位)がC組でポルトガル(同6位)、フランス(同11位)、ギリシャ(同14位)、ルーマニア(同22位)、ハンガリー(同25位)と対戦することとなった。大会は史上最多の125カ国・地域が4つのディビジョンに分かれる。日本の属するトップディビジョンは24カ国・地域が4組に分かれ、各組上位3チームが決勝トーナメントに進出する。
「過去に勝った国がほとんど。恵まれた」。全日本女子の村上恭和監督は、日本の組み分けに安堵した。

 日本は世界ランキング2位のため、第2シードでグループB。この日行われた抽選会では、その対戦相手が決まった。最も注目されたのが、北朝鮮か台湾に絞られていた2カ国が中国のいるグループAと日本のグループBのどちらに入るかだ。

 台湾とは4年前の世界卓球モスクワ大会でもグループリーグで対戦しており、勝利を収めている。ランキング的には台湾(7位)よりも下位の北朝鮮(8位)だが、国際大会への出場も少ないため、ランキングだけでは実力は測れない。村上監督が「比較的やりやすい」と語るなど、どちらかといえば台湾を希望する声が多かった。

 そしてドロワー役を務めたサッカー元日本代表の宮本恒靖氏が引き当てたのは台湾。その瞬間、味の素ナショナルトレーニングセンターで中継を見ていた石川佳純(全農)はホッとしたような表情で笑顔を見せた。

 1次リーグは上位3チームまで決勝トーナメント進出できる。日本はグループA1位が濃厚である中国とは、1位通過であれば決勝まで対戦を避けられる。

 ただ、日本はエース格の福原愛(ANA)をケガで欠くことが決定している。村上監督の見立てでは「日本はランキング2位だが実質6、7位」という。

 その福原の代替選手は来週中にも決定する見通しだ。村上監督は17歳の森さくら(昇陽高)を入れていることもあり、「新人とはならないと思う」と、サプライズ選出はなく実績のある選手が選考される可能性が高い。

 グループリーグ初戦の相手はベラルーシ。主力には日本が苦手とするカットマンが2人いるだけに、第4戦の台湾に並ぶポイントとなりそうだ。

 男子はポルトガル、フランス、ギリシャ、ルーマニア、ハンガリーとヨーロッパ勢との戦う。全日本男子の倉嶋洋介監督は「戦術は立てやすい」と、ほぼ思惑通りの抽選結果と言っていいだろう。

 日本はヨーロッパでのプレー経験がある選手が多い。スタッフと情報を共有して万全の対策を立てたい。倉嶋監督も「選手とのズレもあると思う。4月の合宿ですり合わせしていきたい」と語った。

 男子も目指すは当然1位突破だ。そうなったとしても第3シードのため、グループAの中国とは同じ山になる可能性は50%だが2、3位では可能性はさらに高くなる。女子同様に初戦と第4戦がカギを握る。初戦のカットマンがいるギリシャと第4戦のポルトガルは3選手揃っている実力国。「理想は中国と決勝」と倉嶋監督。37年ぶりの決勝へと、残り1カ月半で臨戦態勢を整えたい。

◇JA全農世界卓球 チャンピオンシップ・ディビジョン◇
【女子】
A組
中国、北朝鮮、ルーマニア、ポーランド、スロバキア、オーストリア
B組
日本、台湾、ハンガリー、ベラルーシ、アメリカ、オーストラリア
C組
韓国、シンガポール、ロシア、オランダ、フランス、ルクセンブルク
D組
香港、ドイツ、ウクライナ、チェコ、セルビア、クロアチア

【男子】
A組
中国、オーストリア、ロシア、ブラジル、ポーランド、セルビア
B組
ドイツ、香港、クロアチア、シンガポール、デンマーク、ウクライナ
C組
日本、ポルトガル、フランス、ギリシャ、ルーマニア、ハンガリー
D組
韓国、台湾、スウェーデン、ベラルーシ、スペイン、北朝鮮

(文/杉浦泰介)