秋季練習で絶好調! オフに入るのがもったいない
12月に入り野球界は本格的なシーズンオフを迎えました。アイランドリーグplusの香川オリーブガイナーズは11月28日まで秋季練習を実施しました。今年は天候にも恵まれ順調にメニューをこなすことができました。選手の動きもコンディションも大変良くて、今、オフに入るのがもったいないくらいですよ(笑)。
引退選手へのエール
NPBの日本シリーズ、古巣・広島は残念ながら日本一を逃しました。私は解説者や評論家ではありませんので、あまり試合を論じることはしませんが、広島は地元マツダの初戦で引き分けたのが痛かったですね。日本一になった福岡ソフトバンクは中継ぎ以降のピッチャーに安定感があったし、短期決戦で力を出せる選手が活躍しました。レギュラーシーズンで結果を残した選手が日本シリーズでは活躍できないことが多々あります。今年はそういう選手の出来で明暗が分かれましたね。
日本シリーズMVPは甲斐拓也捕手でした。彼は育成ドラフトで指名されて、それこそソフトバンク3軍時代、香川とも対戦した間柄です。千賀滉大投手もそうですが、育成という立場から頑張って這い上がって檜舞台に立ったのは素晴らしいことです。独立リーグの選手も立ち位置こそ違いますが、彼らのように上を目指して頑張ってほしいですね。
今年も多くの選手が香川、そしてアイランドリーグで野球を辞めることになりました。いわゆる”区切りをつけた”格好です。香川のピッチャー・秀伍(高島秀伍)も今季限りで引退です。彼は2年前、トライアウトを受けてウチに入りました。社会人時代は外野手でしたが、アイランドリーグにはピッチャーで挑戦したという変わり種です。球は速くて力がありました。でも、野手上がりなのでフォームはいわゆる”野手投げ”で正直どうなのかな、と思っていたのですが、実戦とともに投げ込みもこなして、ピッチャーとして使えるようになりました。
大学、社会人を経験してからの独立入りなので若くはありませんでしたが、それでも伸びしろがあったということでしょう。チェンジアップ、スライダーのキレもあったし、今年の前期は30イニング無失点ピッチングをやってのけた。残念ながらNPBへ送り出すことはできませんでしたが、本人は「やることは全部やりました。悔いはありません」と言っています。桐蔭学園、東洋大学、セガサミーと名門を渡り歩いた経験、そして香川での経験。さらに香川では地域貢献活動なども行って、これらすべてが彼の財産でしょう。
秀伍も含めて辞めていく選手たちは、これから第二の人生が待っています。野球人生よりもそっちの方が長いんですから、今までの経験をいかして頑張ってもらいたいですね。
楽しみな新戦力
さて、去る選手がいれば入ってくる選手もいます。合同トライアウトやドラフトなどで来季に向けての新戦力を獲得しました。地元出身という意味で石田啓介(高松商~関西国際大・右投右打)には投手陣の中心になってほしいし、喜屋武一輝(興南~近畿大学産業理工学部・右投右打)も楽しみな存在です。あと今年はBCリーグ滋賀にいた大高歩(右投右打)も145キロ近い強い球を投げて、腕も振れていて面白い存在です。こうした新戦力が来季、どう活躍してくれるのか今から楽しみです。
既存の選手たちは最初に言ったように、秋季練習でみっちりと汗を流しました。打ち込み、投げ込みができて、野手も投手もそれぞれの課題に取り組めたことでしょう。野手では中村道大郎、三好一生、木村健太などが目立っていた印象で、妹尾克哉はドラフト指名されなかった悔しさを練習にぶつけているような気迫を感じました。またクリスは脇腹のケガも癒えて、フォーム改造に取り組んでいます。投手陣は又吉亮文、畝章真、森崎友星が引き続き楽しみですね。新人と違って結果が求められる彼らの活躍に期待……というか、やってもらわないと困ります(笑)。
近年、スポーツ界もトップカテゴリーは潤沢な資金が得られるようになってきました。でも我々のような独立リーグにはなかなかそれが回ってきません。そんな中でやはり球団に”体力”がないと選手育成もままならない。”体力”をつけるためにはやはりファンの皆さん、スポンサーの方々に喜んでもらえるように勝たなければならないし、面白くて良い試合をする必要があります。
そのためにも来季も監督として手腕を振るっていこうと改めて決意を新たにしていますので、これまでと変わらない応援をよろしくお願いいたします。このコラム、年内はこれが最後となります。ちょっと早めですが皆さま良いお年を。次回は2月1日更新にてお目にかかりましょう。
<このコーナーは毎月1日更新です>