(写真:ツアー通算21勝目を飾った池田勇太。出場権得た全英オープンは8度目の挑戦。)

 2日、男子ゴルフ国内ツアー「~全英への道~ミズノオープンatザ・ロイヤル ゴルフクラブ」の最終ラウンドが行われ、単独トップでスタートした池田勇太が71で周り、トータル7アンダーで優勝を飾った。池田は今季初優勝で通算ツアー21勝目。なお今大会は全英オープンのクオリファイリングトーナメントであり、優勝の池田、2位のチャン・キム、3位タイのガン・チャルングン、朴相賢の4人が全英出場権を得た。

 

 大会最終日、コースセッティングは前日の8016ヤードから7604ヤードに変更された。単独トップでスタートした池田は「昨日、8000ヤードに立ち向かおうと奮い立ってスコアを伸ばせた。それが1日だけとはもったいない。お客さんに男子プロのパワーや技を見せたかった」とヤーデージ短縮を悔しがったが、この日も池田のショットとパターは冴え渡った。


 スタートの2ホールをパーでまとめた池田は、3番ホール(パー5)で2オンからバーディーを奪うと、4番ホール(パー3)はグリーンエッジから5メートルを沈めてバーディー。さらに5番ホール(パー4)でも3メートルを沈めて3ホール連続バーディーと上々の滑り出しを見せた。

 

 前半、折り返しの9番ホール(パー4)でボギー、さらに後半スタートの10番ホール(パー4)もボギーとなったものの、その後、パープレーでまとめ、15番ホール(パー4)でバーディー。トーナル8アンダーで、前日、スコアを崩した17番ホール(パー3)を迎えた。

 

(写真:17番でバーディー。1打差で池田を追い詰めたものの惜敗のキム。「長いコースは大歓迎」とザ・ロイヤルGCと存分に戦った。)

 ここで同組のキムがあわやホールインワンのティーショットから、バーディーを奪い6アンダー。池田はショットの瞬間に風向きが変わる不運でグリーン左ラフに打ち込み、17番はボギー。1打差で最終ホール(パー4)を迎えた。池田はグリーンエッジ、キムはピンまで約6メートルのグリーン中央にセカンドショットを運び、パッティング勝負に。キムがバーディーパットを外すと、池田はカップまで残り1メートルへ。最後、慎重にこれを沈めた池田が7アンダーで逃げ切った。

 

 池田はこの勝利でツアー通算21勝目、11年連続での毎年優勝は青木功、片山晋呉に並ぶ歴代2位タイとなった。

 

(写真:池田にはベストスコア賞としてザ・ロイヤルGCから賞金50万円。プレゼンテーターは同クラブ野津社長。)

 祝福のドリンクシャワーを浴びた池田は、ミズノオープンをこう振り返った。
「ゴルフは相手と戦うスポーツであるとともに、コースや自然と戦うスポーツ。そのことを改めて実感できたコースでした。ただ8000ヤード超が1日だけだったのはもったいない。来年は1日だけでなく8000ヤードのコースセッティングをお願いしたい。ベストスコア賞(3日目の66)もいただいたけど、昨日は9アンダー、63を途中まで出していた。来年は自分のレコードを、8000ヤード超のコースで更新したいと思っています」

 

(写真:全英オープン出場権を得た、左から池田、キム、朴、チャルングンの4人。)

 全英オープン出場権を得た池田は、5年連続8回目の出場となる。キムは2年ぶり2回目の出場に向けて「優勝に届かなかったけど、もうひとつの目標である全英出場を達成できてうれしい。良い結果を残したい」と意気込んだ。朴は昨年に続いて2回目の出場となる。全英、そして海外メジャーも初となるチャルングンは「初優勝と同じくらい全英出場権を得られて興奮している。初のメジャーなのでいろいろと経験してきたい」と抱負を述べた。

 

 昨年に続き2回目の開催となったザ・ロイヤルGCでのミズノオープン。池田の「また来年、ぜひ勝ちたい」との言葉とともに、来年もタフなコースでの熱戦を期待したい。なお、今年の全英オープンは7月18日から21日、北アイルランドのロイヤル・ポートラッシュ・ゴルフクラブで行われる。ミズノオープンで資格を得た4選手をはじめ、日本人選手の健闘を祈りたい。

 

(取材・文・写真/SC編集部・西崎)

 


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